民法の相隣(トラブル)関係について

公開日 2017年08月31日

更新日 2018年06月25日

   民法には相隣関係というものがあり、「隣接する不動産の所有者間において、通行・排水・境界などの問題に関して相互の土地利用を円滑にするために、各自の不動産の機能を制限し調整し合う関係」のことを言います。 

●相隣問題は当事者間の話し合いで

建物を建てる場合、建築基準法に基づく制限がありますが、建築主と近隣との権利関係は、民法に規定されています。
 建物を建てる計画をする際、お互いが気持ち良く暮らせるように、近隣への配慮を十分にしてください。また、工事を始める
前には近隣への挨拶や説明をし、工事中は騒音等の迷惑を掛けないように配慮することが大切です。
 相隣問題(民法上の規定)については、市(行政)が指導や介入することはできませんので、当事者間で話し合って解決し
いただくことになります。話し合いがつかないときは、民事調停か、裁判によって解決することになります。
 なお、建築確認の審査は、民法の規定にかかわらず、建築基準法に適合していれば確認処分は行なわれます。

●市民相談について

※各種市民相談については、人権と暮らしの相談課HP

 

●住宅関係全般に係る相談窓口について

※各種市民相談については大阪府HP 

●相隣関係について民法の主な項目(抜粋)

(隣地の使用請求)

民法第209条  

  土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕す  るため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。

  前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することが

    できる。

 

 

(公道に至るための他の土地の通行権)

 

民法第210条  

  他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。

  池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

 

民法第211条  

  前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。

 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設するこ 

  とができる。

 

 

民法第212条  

1   第210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。

 民法第213条  

  分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。

  前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用

    する。

(自然水流に対する妨害の禁止)

民法第214条  

  土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない。

(雨水を隣地に注ぐ工作物の設置の禁止)

民法第218条  

  土地の所有者は、直接に雨水を隣地に注ぐ構造の屋根その他の工作物を設けて  

  はならない。

(竹木の枝の切除及び根の切取り)

民法第233条  

  隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。

  隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。

(境界線付近の建築の制限)  ※建築基準法上の規定ではありません。

民法第234条  

  建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなけれ

    ばならない。

  前項の規定に違反して建築をしようとする者があるときは、隣地の所有者は、その建築を中止させ、又は変更させることができる。ただし、建築に着手した時から1年を経過し、又はその建物が完成した後は、損害賠償の請求のみをすることができる。

 民法第235条  

  境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。

  前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。

 

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