水質基準項目の解説

2015年5月21日

水質基準項目の解説


水質基準項目51項目(健康に関連する項目31項目:1~31 水道水が有すべき性状に関連する項目20項目:32~51)

      項目 基準値 解説                       区分 主な使われ方
1 一般細菌 100個/mL
以下
 水中に存在する細菌の総数を表すものでなく、標準寒天培地を用いて36±1℃で24±2時間培養した時、培地に集落を形成する細菌数を表したものです。
 一般細菌として検出される細菌のほとんどは病原菌とは関連性はありませんが、一般細菌が多く検出された場合などは病原生物に汚染されている疑いがあります。又、塩素消毒が有効に機能しているかどうかの判断の役立ち、一般細菌の基準以下であれば病原菌に対する消毒効果が十分にあると判断できます。
病原生物に
よる汚染の
指標
 
2 大腸菌 検出のされないこと  人の糞便中の大腸菌群の90%を占め、これは、特定酵素基質培養法(MMO-MUG法)で、蛍光を発することで検出されます。
 大腸菌は、温血動物の消化管、特に大腸に生息しています。
 飲料水の病原生物汚染を察知するために病原菌の検出・同定には繁雑な操作等で時間を要し、非現実的であることと、感染症が糞便を媒体に感染することなどから、病原菌よりも耐性がある大腸菌を検査し、糞便汚染の指標となりました。
 
3 カドミウム及びその化合物 0.003 mg/L
以下
 自然水中に含まれる事はまれですが、鉱山廃水や工場排水等から混入する事があります。
 富山県神通川流域のイタイイタイ病が全国的に有名です。

 無機物・重金属

電池 ・メッキ ・顔料
4 水銀及びその化合物 0.0005 mg/L
以下
 自然水中に含まれる事はまれで、水銀鉱を産出する地域の地下水鉱泉水に検出される事があります。
 飲料水中に水銀が混入するのは、工場排水、農薬散布による事が多いようです。
 水銀は一般的に無機水銀化合物と有機水銀化合物に分けられ、総水銀とは無機水銀化合物と有機水銀化合物の総量をいいます。有機水銀化合物は、水俣病の原因物質として知られています。
温度計 ・歯科材料
5 セレン及びその化合物 0.01 mg/L
以下
 自然水中に含まれる事はまれですが、その多くは鉱山廃水、工場排水等からの混入が考えられます。 半導体材料 ・顔料 ・薬剤
6 鉛及びその化合物 0.01 mg/L
以下
 地質、鉱山廃水、工場排水による混入がありますが、給水に用いられる鉛に由来する事も考えられます。水道水中の鉛溶出に対処するため、布設替え等を随時行っています。 鉛管 ・蓄電池 ・活字 ・ハンダ
7 ヒ素及びその化合物 0.01 mg/L
以下
 主として、銅、鉄、水銀、鉛、ニッケル等の鉱物と共存し、自然水中に溶出する事があります。
又、鉱山廃水や工場排水の混入に起因する事もあります。
合金 ・半導体 ・材料
8 六価クロム化合物 0.05 mg/L
以下
 自然水中にはほとんど存在しませんが、鉱山廃水、工場排水等の混入によって含まれる事があります。
 飲料水からの摂取に伴う健康障害の例は報告されていません。
メッキ
9 亜硝酸態窒素  0.04 mg/L
以下
 窒素肥料や腐植、家庭排水等に含まれる窒素化合物が化学的、微生物学的に酸化、還元を受けて生成されます。  
10 シアン化物イオン及び塩化シアン 0.01 mg/L
以下
 自然水中にはほとんど含まれませんが、メッキ工場、鉄鋼処理工場、都市ガス製造工場、塵埃焼却物等の排水の混入によって含まれる事があります。 害虫駆除剤
11 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10 mg/L
以下
 窒素肥料や腐植、家庭排水等に含まれる窒素化合物が化学的、微生物学的に酸化、還元を受けて生成されます。
 長期毒性試験で低濃度でも腎臓・心臓・肺への障害性が認められたため、平成10年6月に監視項目に追加されました。
 
12 フッ素及びその化合物 0.8 mg/L
以下
 フッ化カルシウムが主成分であるホタル石が自然界に広く分布するため、水中のフッ素イオンとして、自然水中に含まれます。又、工場排水の混入によっても多く含まれることもあります。
 フッ素を適量に含んだ水を飲用した場合には「虫歯」の予防に効果があると言われていますが、多量に含まれると「斑状歯」の原因となります。
フロンガス製造
13 ホウ素及びその化合物 1.0 mg/L
以下
 そのものが単体として天然に存在する事はありませんが、化合物であるホウ素は遊離又は塩の形で広く分布します。
 工場排水等の混入によって河川等で検出される事があります。

金属表面処理剤 ・ガラス・エナメル工業

14 四塩化炭素 0.002 mg/L
以下
 合成化学物質であり自然界には存在しません。大気中で光科学的酸化により分解されますが、地上の場合は土壌に吸収されず、地下水に移行し、数ヶ月から数年残留し、地下水の汚濁物質の1つとしてよく知られます。 一般有機物 フロンガス原料
15 1,4-ジオキサン 0.05 mg/L
以下
 特有の臭気のある無色の液体で、水と混和します。
 水道水から高濃度で検出される原因としては、工場の流出事故が考えられます。
1.1.1-トリクロロエタンの安定剤
16 シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04 mg/L
以下
 合成化学物質であり自然界には存在しません。
 大気中で光化学的酸化により分解されますが、地上の場合は土壌に吸収されず、地下水に移行し、数ヶ月から数年残留し、地下水の汚濁物質の1つとしてよく知られています。
溶剤 ・香料 ・ラッカー
17 ジクロロメタン 0.02 mg/L
以下
 合成化学物質であり自然界には存在しません。
 大気中で光化学的酸化により分解されますが、地上の場合は土壌に吸収されず、地下水に移行し、数ヶ月から数年残留し、地下水の汚濁物質の1つとしてよく知られています。 
殺虫剤 ・塗料ニス
18 テトラクロロエチレン 0.01 mg/L
以下
 合成化学物質であり自然界には存在しません。
 大気中で光化学的酸化により分解されますが、地上の場合は土壌に吸収されず、地下水に移行し、数ヶ月から数年残留し、地下水の汚濁物質の1つとしてよく知られています。
ドライクリーニング
19 トリクロロエチレン 0.01 mg/L
以下
 合成化学物質であり自然界には存在しません。
 大気中で光化学的酸化により分解されますが、地上の場合は土壌に吸収されず、地下水に移行し、数ヶ月から数年残留し、地下水の汚濁物質の1つとしてよく知られています。
溶剤 ・脱脂剤
20 ベンゼン 0.01 mg/L
以下
 石油を分留して得られ、揮発性のある無色の液体で、芳香族の特有の芳香があります。
 大気中では、揮散しますが、地上の場合は土壌に若干吸着しますが、徐々に移動し地下水に到達して、わずかに生物分解され、そこで安定すると考えられています。
塗料 ・合成ゴム
21 塩素酸

0.6 mg/L

以下

 消毒剤である次亜塩素酸ナトリウムの分解により生成されます。  消毒副生成物  
22 クロロ酢酸 0.02 mg/L
以下
 原水中の有機物質が消毒剤(塩素)と反応して生成する消毒副生成物です。 溶剤、洗浄剤、医薬品の原料
23 クロロホルム 0.06 mg/L
以下
 浄水過程で水中のフミン質等の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成するトリハロメタンの主要構成物質です。 医薬品(麻酔剤)、各種工業製品の製造過程における溶媒
24 ジクロロ酢酸 0.03 mg/L
以下
 水中にフミン質やその類似物質が存在すると、塩素処理により生成します。  
25 ジブロモクロロメタン 0.1 mg/L
以下
 浄化過程で水中のフミン質等の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成するトリハロメタンの主要構成物質です。  
26 臭素酸 0.01 mg/L
以下
 原水に含まれる臭素がオゾン処理で酸化されて生成する他、消毒剤の次亜塩素酸ナトリウムの製造時に、不純物として含まれる臭素が酸化されて生成します。  
27

総トリハロメタン

(クロロホルム,ジブロモクロロメタン,ブロモジクロロメタン,ブロモホルムのそれぞれの総和)

0.1 mg/L
以下
 水道水中に存在するフミン質等の有機物を全駆物質として塩素処理によって生成します。  
28 トリクロロ酢酸 0.03 mg/L
以下
 水中にフミン質やその類似物質が存在すると、塩素処理により生成します。   
29 ブロモジクロロメタン 0.03 mg/L
以下
 浄水過程で水中のフミン質等の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成するトリハロメタンの主要構成物質です。  
30 ブロモホルム 0.09 mg/L
以下
 浄化過程で水中のフミン質等の有機物質と消毒剤の塩素が反応して生成するトリハロメタンの主要構成物質です。  
31 ホルムアルデヒド 0.08 mg/L
以下
 水道原水の有機物と消毒用塩素やオゾンとの化学反応に由来します。 石炭酸系、尿素系、メラミン系合成樹脂製造原料、消毒剤、防腐剤の原料
32 亜鉛及びその化合物 1 mg/L
以下
 自然水中に存在する事はまれですが、鉱山廃水、工場排水からの混入あるいは亜鉛メッキ鋼管からの溶出に起因するものもあります。
 水道水に高濃度の亜鉛が含まれると白濁して、いわゆる白水の原因となります。
着色 トタン板 ・合金 ・乾電池
33 アルミニウム及びその化合物 0.2 mg/L
以下
 地球上の広く分布し、途上に含有している金属元素で、自然水中にも含まれますが、溶解度が小さいので、アルミニウム量は少なく、鉱山廃水、工場排水、温泉水等の混入により検出されます。水道水においては、アルミニウム系凝集剤を使用する場合、凝集不良等により、水道水中に含まれる事があります。
 高濃度に含まれると白濁の原因となります。
アルマイト製品 ・電線 ・ダイカスト ・印刷インク
34 鉄及びその化合物 0.3 mg/L
以下
 主として地質によりますが、鉱山廃水、工場排水等の混入あるいは鉄管に由来する事があります。水中に多量の鉄が存在すると外観の異常、不快な臭味を与え、又は布地、器物等を赤褐色に着色する場合もあります。鉄は栄養上1人1日あたり約10mg以上必要とされています。 建設 ・橋梁 ・造船
35 銅及びその化合物 1 mg/L
以下
 鉱山廃水、工場排水及び銅管からの溶出等による混入が考えられます。銅が混入する水は、亜鉛メッキ管、鉄製品、アルミニウム製器物の腐食を促進し、水質苦情の一因となります。銅イオンを1mg/l以上含む水は、金属味を帯び着色を与えます。
 
電線 ・電池 ・メッキ ・熱交換器
36 ナトリウム及びその化合物 200 mg/L
以下
 自然水中に広く存在する元素であり、海水、工場排水等による混入や、水酸化ナトリウムによるph調整、次亜塩素酸ナトリウムを用いる塩素処理に由来する事が考えられます。
 
苛性ソーダ・石鹸
37 マンガン及びその化合物 0.05 mg/L
以下
 水中のマンガンは主として地質に起因しますが、鉱山廃水、工場排水等の混入が原因となる事があります。
 マンガンは、消毒用の塩素で酸化されると黒色を呈す事があります。
 マンガンは、生理的に不可欠の元素で炭水化物の代謝等に関与しています。
着色 合金 ・乾電池 ・ガラス
38 塩化物イオン 200 mg/L
以下
 自然水中には多少の塩素イオンが含まれています。多くは、地質に由来するものであり、特に海岸地帯では海水の影響を受け、濃度が高い事があります。
 又、塩素イオンは生活排水、工場排水、畜産排水の混入によって増加しますので、水質汚濁の指標の1つとなっています。高濃度に含まれると味覚を損なう原因となります。
着色 食塩 ・塩素ガス
39

カルシウム,マグネシウム等

 (硬 度)

300 mg/L
以下
 カルシウムとマグネシウムの合計量を硬度といい、主に地質に起因します。硬度が低すぎる水は、淡白でこくのない味がします。硬度が高すぎる水は硬くてしつこい味がします。又、硬度が高いと石鹸の泡立ちが悪くなります。
(カルシウム)
 カルシウムは自然界には遊離状態で産出されず、炭酸塩及びケイ酸塩として広く分布します。
 
40 蒸発残留物 500 mg/L
以下
 水の中に浮遊したり溶解したりして、含まれている物質の総量をmg/lで表したものです。
 水道水の蒸発残留物の主成分はいわゆるミネラルで、カルシウム、マグネシウム、ケイ酸、ナトリウム、カリウム等です。残留物が多いと苦味、渋み等を付け、適当に含まれると、まろやかさを出します。
 
41 陰イオン界面活性剤 0.2 mg/L
以下
 合成洗剤の有効成分であるアリキルベンゼンスルホネートあるいはメチレンブルーによってクロロホルムに可溶な青色の錯化合物を形成するものです。
 工場排水、家庭下水等の混入に由来し、水中に存在する泡立ちの原因となり、汚濁の指標として重要なものです。
発泡 合成洗剤
42 ジェオスミン 0.00001mg/L
以下
 湖沼等で富栄養化現象に伴い発生する異臭味の原因物質で、アナベナ等の海藻類によって産出され、カビ臭を発生します。 カビ臭  
43 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/L
以下
 湖沼等で富栄養化現象に伴い発生する異臭味の原因物質で、アナベナ等の海藻類によって産出され、カビ臭を発生します。  
44 非イオン界面活性剤 0.02 mg/L
以下
界面活性剤のうち、イオンの解離する基を持たないものです。 発泡  
45 フェノール類 0.005 mg/L
以下
 フェノール(石炭酸 )やその誘導体であるクレゾール等の総称であり、天然には存在しません。
 フェノール類は工場排水等の混入により河川水等で検出される場合があります。フェノール類を含む水は塩素消毒をするとクロロフェノールの不快な臭味を与える事があります。
臭気 消毒剤 ・香料の原料
46 有機物(全有機炭素の量) 3 mg/L
以下
 水中の有機物量を、含まれる炭素の量で示すものです。
 有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)として、長らく使用していた項目では、純粋な有機物だけの量でなく、一部無機物も含んだ形で検出し、測定の対象がはっきりしていませんでした。その問題を克服し、全有機炭素(TOC)で、測定することになりました。
 
47 ph値 5.8~8.6  0 ~ 14の数値で表され、ph7は中性、7から小さくなるほど酸性が強く、7より大きくなるとアルカリ性が強くなります。
 地下水は遊離炭酸を多く含んでおりph6前後になる事があります。
基礎的性状  
48 異常でないこと  地質又は海水、鉱山廃水、工場排水、下水の混入及び藻類等生物の繁殖に伴うものの他、水道水で使用されている管の内面塗装等に起因します。  
49 臭 気 異常でないこと  プランクトン・鉄バクテリア・放線菌等生物の繁殖、工場排水、下水の混入、地質等の他、水道水の塩素処理に起因します。又、水道水で使用されている管の内面塗装等に由来します。  
50 色 度 5度以下  鉄、マンガン、亜鉛等の金属やフミン質の有機物に由来するものであり、水に色がついている事は水道水の快適な使用に支障を及ぼすだけでなく、他の物質による汚染指数になります。
 精製水1リットル中に白金イオン1mg及びコバルトイオン0.5mgを含む時の呈色に相当するものを1度としています。
 
51 濁 度 2度以下  水の濁りの程度を表します。水道水において原水濁度は浄水処理に大きな影響を与え、浄水管理上の指標となります。また、給水栓中の濁りは、給配水施設や管の異常を示すものとして重要です。
 0.5μm径から10μm径のポリスチレン粒子の懸濁液を一定比率で混合したものを標準として、濁りの程度を表しています。
 

 

 

お問い合わせ

水道局
浄水課 水質管理係
電話:072-893-6281