交野市財産区制度

2015年5月28日

■財産区の基本原則

 

 財産区は、その財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止については、その住民の福祉を増進するとともに、財産区のある市町村との一体性を損なわないように努めなければならない。


 

■財産区とは

  

 財産区とは、市町村の一部で財産を有し若しくは公の施設を設けているもの又は市町村の廃置分合若しくは境界変更の際の関係地方公共団体の財産処分に関する協議に基づいて市町村の一部が財産を有し若しくは公の施設を設けるものとなるものをいう(自治法294第1項)。

  

1.財産区の種類
 財産区には、市制町村制施行の際(明治22年)認められたものと市制町村制施行後の廃置分合又は境界変更の際の財産処分の協議により設けられたものの2種類があり、通常前者は旧財産区、後者は新財産区と呼ばれている。


(1)旧財産区(星田財産区を除くその他の財産区)
 旧財産区は、市制町村制の施行のために推進された大規模な町村合併に際し、旧町村が所有していた山林原野等の財産や営造物(公の施設)を新市町村に引き継ぐことについて住民の強い反対があり、この町村合併を促進するためやむなく合併後も旧町村単位で従来の財産を所有する権利を認められたものである。
 当時の旧町村は藩制時代からの行政の単位であると同時に生活共同体とでもいうものであり、山林、原野、溜池等を有し、草肥、牛馬の飼料、薪炭、山菜の採取などの使用収益を行っている例が多かった。したがって、旧財産区には住民の旧慣使用権(自治法238の6)が認められている例が多い。


(2)新財産区 (星田財産区)
 新財産区は、市制町村制施行後それ自身行政権の主体としての地位を有することとなった市町村が、廃置分合又は境界変更の際の財産処分の協議により、そのままその所有する財産の権利主体となったものである。したがって、旧財産区に比べて、設置の事実、財産の内容、範囲等極めて明瞭であると考えられる。

  

  

■財産区の性格

 

 財産区とは、地方自治法に「市町村の一部が財産を有し、若しくは公の施設を設けているもの」と規定されているが、その要件としては次のものがあげられる。


1.特別地方公共団体であること。
 すなわち、
(1)一定の地域が構成要素となる。
(2)その区域内の全ての住民が当然に財産区を構成するものであるから、区域内の住民は全てが財産区の構成員となる。
(3)公法人であるから、営利を目的とする所有財産から得た収益を当該住民に分配することはできない。

 
2.市町村の区域の一部であること。
 財産区は市町村の一部の区域を区域とする地方公共団体であるから2以上の市町村にまたがって存在することはありえない。

 

3.財産又は営造物を所有することが存在の要件である。
 したがってその所有する財産等をすべて処分し、その所有権を喪失すれば、財産区は何等の手続きを経ることなく法人格を失い、消滅することになる。

 

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■財産区の権能

 

 財産区は特別地方公共団体であり市と同じく法人格を有するが、市のように広範な事務を処理する権能を有するものでなく、財産の管理又は処分若しくは公の施設の廃止についてのみ行為能力を有する特殊法人である。


1.管理行為
 管理行為は、保存行為、利用行為及び改良行為をその内容とする。
(1)保存行為
 保存行為とは、財産の現状を維持する行為であり、家屋の修繕、溜池の堤の補修など、財産の滅失、毀損を防ぐ行為である。
(2)利用行為
 利用行為とは、財産をその性質に従って利用することであり、山林から薪等の雑木を採取したり、溜池の水を潅漑用水に使用することはもちろん、財産を貸付けて収益を図ることもこれに該当する。
(3)改良行為
 改良行為とは、財産の本来の性質を変更しない範囲内において財産の価値を増加させる行為で、家屋に造作を施すとか、山林や田畑を宅地にする行為などがあげられる。


2.処分行為
 処分行為としては、売却がその主たるものであるが、林野をゴルフ場用地として貸付ける行為や、抵当権の設定なども処分行為である。又、公の施設については、公共の利用に供することを廃止した時点において処分したものと考えられるから、公用廃止が処分行為となる。


3.財産区の権能についての具体的な問題
(1)全く新たな財産を取得できない。
 前述のとおり財産区は財産の管理、処分についてのみ権能を有するのであるから従来有していた財産と全く異質の新たな財産を取得することはできない(土地を処分した代金で別の土地を購入することは可能)。
(2)その存立の目的の範囲内において寄付又は補助をすることができる。
 財産区は、財産の管理の範囲内の事項については、寄附又は補助をすることができるが、これに関係のない事柄(例えば、地域の自治会とか青年団、婦人会等の費用に充てるための補助又は寄附)についてはこれをすることができない。
(3)課税、起債、分担金の徴収はできない。

 

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■財産区の機関

 

 財産区は特別地方公共団体であり、市とは人格を異にするが、原則として固有の機関を有しない。すなわち、執行機関は市長であり議決機関は市議会である。例外的に、財産区議会が設けられている。


1.執行機関
 地方自治法第294条第1項により、財産区財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止については市の財産又は公の施設の管理及び処分又は廃止に関する規定によるとされている。市においてこれらの事務を執行する者は市長であるから、財産区に関するこれらの事務はすべて市長が執行しなければならないので、通常市長を『財産区管理者』という。したがって、売買契約の締結、財産区有地の賃貸借契約は『財産区管理者』市長が行い、登記手続き等の事務も『財産区管理者』市長が行うことになる。
 又、財産区の事務は市の職員が補助執行し、財産区の会計事務は市の会計管理者が行う。
 財産区の監査機関は、市の監査委員及び大阪府知事であり、監査委員が行う監査は、市の監査と同様である。


2.議決機関
 財産区で議決を要するものについては、市議会がこれを議決するわけであるが、財産区は市の一部の地域の利益を保全するために設けられた制度であり、財産区と市との間で利害が対立する場合、執行機関も議決機関も市の機関であれば、財産区の利益が市によって侵害される恐れがあるので、こうしたことを防止することと、財産区の運営に地区住民の意志を十分に反映させることなどの必要性を大阪府知事が認めて、市議会の議決を経て条例により財産区議会を設置している。

 

(1)組織
 財産区議会議員の定数、任期、選挙権、被選挙権及び選挙人名簿については、知事の提案した財産区議会設置条例中に規定されている。
 財産区議会議員の選挙については、町村議会議員の選挙に関する規定が適用される。

(2)権限
 財産区議会は、財産区の権能に属するもの、すなわち、財産区財産及び公の施設の管理及び処分又は廃止に関する事項については、市議会が有するものと全く同様の権限を有する。

(3)兼職の禁止
 財産区議会議員は、国会議員ならびに市町村議会議員及び市長、副市長、会計管理者等の常勤の職員と兼ねることができない。

(4)兼業の禁止
 財産区議員は、次の各職業に就くことはできない。
・財産区に対し、請負をする者
・財産区で経費を負担する事業につき、財産区の委任を受けた者に対し請負をする者
・その請負をする者の支配人
・主として、同上の行為をする法人の無限責任社員、取締役、若しくは監査役又はこれらに準ずべき者、支配人及び精算人

 

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交野市財産区議会設置条例(抄)

 

施行 昭和30年 6月 3日 条例第29号
改正 昭和42年12月25日 条例第28号


 (設置)

第1条 地方自治法第295条の規定により、交野市の次の財産区に議会を設置する。
大字倉治の区域を区域とする財産区
大字郡津の区域を区域とする財産区
大字私部の区域を区域とする財産区
大字星田の区域を区域とする財産区
大字私市の区域を区域とする財産区
大字森の区域を区域とする財産区
大字寺の区域を区域とする財産区

 (定数)

第2条 前号各号の財産区の議会の議員の定数は、次のとおりとする。
大字倉治の区域を区域とする財産区  10人
大字郡津の区域を区域とする財産区   8人
大字私部の区域を区域とする財産区  10人
大字星田の区域を区域とする財産区  10人
大字私市の区域を区域とする財産区  10人
大字森の区域を区域とする財産区    6人
大字寺の区域を区域とする財産区    7人

 (任期)

第3条 議会の議員の任期は、4年とする。
2 前項の任期の起算、補欠議員の在任期間及び議員の定数に異動を生じたために、あらたに選挙された議員の在任期間については、公職選挙法第258条第1項並びに第260条第1項及び第2項の定めるところによる。

 (選挙権)

第4条 財産区の区域内に3箇月以来住所を有する者で、交野市議会の議員の選挙権を有する者は、その属する財産区の議会の議員の選挙権を有する。

 (被選挙権)

第5条 財産区の議会の議員の選挙権を有する者で、年齢満25年以上のものは、その財産区の議会の議員の被選挙権を有する。

 (選挙人名簿)

第6条 財産区議会の議員の選挙に用いる選挙人名簿は、交野市議会の議員の選挙に用いる選挙人名簿中の財産区議会の議員の選挙を有するものに関する部分中又はその抄本によるものとする。

 

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