○交野市景観まちづくり条例

平成25年12月27日

条例第59号

交野市景観まちづくり条例(平成11年条例第19号)の全部を改正する。

目次

第1章 総則(第1条―第4条)

第2章 景観まちづくりの推進(第5条―第9条)

第3章 景観計画区域内における行為の制限等(第10条―第14条)

第4章 景観まちづくり団体と計画(第15条・第16条)

第5章 景観まちづくり協定(第17条―第23条)

第6章 景観等形成建築物(第24条―第28条)

第7章 景観まちづくり審議会(第29条)

第8章 専門家派遣制度(第30条)

第9章 表彰・助成等(第31条・第32条)

第10章 補則(第33条―第36条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、良好な住環境や都市景観を保全・整備・創出するとともに、市民の自発的なまちづくり活動を促進・支援し、秩序ある土地利用の形成を図るために必要な事項及び景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めることにより、永住魅力あるまちづくりを確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 景観まちづくり 地域の特性を生かした良好な景観や秩序ある市街地の形成をいう。

(2) 開発事業 都市計画法(昭和43年法律第100号)第4条第12項に規定する開発行為、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物(以下「建築物」という。)の建築及び規則で定める行為をいう。

(3) 市民 市内に居住する者、土地又は建築物を所有する者及び借地権を有する者をいう。

(4) 事業者 市内で商業、工業、農業等の産業に関する事業活動を行う者をいう。

(5) 市街地開発事業 都市計画法第4条第7項に規定する市街地開発事業をいう。

(6) 地区計画等 都市計画法第4条第9項に規定する地区計画等をいう。

(7) 建築協定 建築基準法第69条に規定する建築協定をいう。

(8) 現状変更行為 開発行為(区画のみの変更を除く。)及び第11条第1項の行為をいう。

(9) 建築物等 建築物及び工作物をいう。

(10) 新築等 新築若しくは新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩の変更をいう。

(基本理念)

第3条 市、市民及び事業者は、自らが景観を形成する主体であることを意識し、それぞれの責務のもと、協働して景観まちづくりの実現に努めなければならない。

(市長、市民及び事業者の責務)

第4条 市長は、景観まちづくりを推進するため、市民及び事業者の意見を反映した総合的な施策を策定し、実施しなければならない。

2 市長は、公共施設の整備又は改善等の施策を推進するに当たっては、景観まちづくりの推進の先導的役割を果たすよう努めなければならない。

3 市長は、景観まちづくりに関する調査及び研究を行うとともに、市民及び事業者の意を高め、知識の普及を図るための施策を講じなければならない。

4 市民は、市長が実施する景観まちづくり施策に協力及び参加するとともに、自らその実行に努めなければならない。

5 事業者は、市長が実施する景観まちづくり施策に協力するとともに、積極的にその実施に努めなければならない。

第2章 景観まちづくりの推進

(基本計画)

第5条 市長は、前条第1項の総合的な施策として、景観まちづくりの基本的な目標を明らかにし、その実現を図るための指針となる基本計画(以下「基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 市長は、基本計画を策定するに当たっては、市民及び事業者の意見を反映する措置を講ずるとともに、景観まちづくり審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

3 市長は、基本計画を策定したときは、その旨を告示するとともに、その内容を公衆の縦覧に供しなければならない。

4 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。

(景観計画)

第6条 市長は、法第8条第1項に規定する景観計画(以下「景観計画」という。)を策定しなければならない。

2 景観計画は、基本計画に適合するものでなければならない。

3 市長は、景観計画を策定するに当たっては、市民及び事業者の意見を反映する措置を講ずるとともに、審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、景観計画を策定したときは、その旨を告示するとともに、その内容を公衆の縦覧に供しなければならない。

5 前2項の規定は、景観計画の変更について準用する。

(景観等形成重点地区の指定)

第7条 市長は、景観計画区域(法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域をいう。以下同じ。)のうち、特性を活かした良好な景観の形成を重点的に図る必要があると認める地区を、景観等形成重点地区(以下「重点地区」という。)として指定することができる。

2 市長は、重点地区を指定しようとするときは、当該地区の市民及び事業者並びに審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、重点地区を指定したときは、当該地区について、他の景観計画区域と区分して、景観計画における行為の制限に関する事項等を定めることができる。

(計画提案をすることができる団体)

第8条 法第11条第2項の条例で定める団体は、景観計画の策定又は変更を提案しようとする土地の区域の良好な景観の形成を図ることを目的として活動を行っている団体(法人格を有しない団体にあっては、代表者の定めがあり、かつ、規約等を定めているものに限る。)とする。

(計画提案を踏まえた景観計画の策定等をしない場合の手続)

第9条 市長は、法第14条第1項の規定による通知をしようとするときは、あらかじめ、審議会の意見を聴かなければならない。

第3章 景観計画区域内における行為の制限等

(事前協議)

第10条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をしようとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該届出の内容について市長と協議しなければならない。

(届出を要する行為等)

第11条 法第16条第1項第4号の条例で定める行為は、次に掲げる行為とする。

(1) 土地の開墾、土砂の採取、鉱物の掘採その他の土地の形質の変更

(2) 木竹の伐採

2 法第16条第7項第11号の条例で定める行為は、現状変更行為、建築物等の新築等を除く行為及び次に掲げる行為以外の行為とする。

(1) 高さが12メートル以上若しくは地上4階以上(地階を除く。)、又は建築面積が300平方メートル以上の建築物の新築等

(2) 高さが12メートル以上又は築造面積が300平方メートル以上の工作物の新築等

(3) 面積が500平方メートル以上の現状変更行為

(誘導基準)

第12条 市長は、法第16条第1項の規定による行為のうち、前条第2項第1号に規定する行為(以下「大規模建築物の新築等」という。)について、景観計画に定められた景観形成基準のほか、大規模建築物誘導基準を定めるものとする。

2 市長は、前項の大規模建築物誘導基準を変更するときは、審議会の意見を聴かなければならない。

(先導的役割を果たすための検討)

第13条 市長は、法第16条第1項の規定により届出があった大規模建築物の新築等のうち、次の各号のいずれかに該当するときは、周辺環境との調和を図りながら景観まちづくりに先導的な役割を果たすよう、規則で定めるところにより、検討を行わなければならない。

(1) 高さが18メートル以上又は地上6階以上(地階を除く。)の建築物

(2) 建築面積が1,000平方メートル以上の建築物

2 前項の大規模建築物の新築等を行おうとする者は、検討に必要な資料を提出するとともに、検討結果について誠意を持って対応しなければならない。

(行為の完了の届出)

第14条 法第16条第1項又は第2項の規定による届出をした者は、当該届出に係る行為を完了したときは、遅滞なく、規則で定めるところにより市長に届け出なければならない。同条第3項の規定による勧告に伴う変更に係る届出についても同様とする。

第4章 景観まちづくり団体と計画

(景観まちづくり団体)

第15条 市長は、次の各号に該当する団体を、景観まちづくり団体(以下「まちづくり団体」という。)として認定することができる。

(1) 一定の地域における景観まちづくりを目的としているもの

(2) 一定の地域の市民(以下「地域市民」という。)の多数に支持されていると認められるもの

(3) 活動の内容が財産権等を不当に制限しないもの

(4) 団体規約が定められているもの

2 前項に規定する認定を受けようとする団体は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。

3 市長は、第1項の認定をしようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、まちづくり団体として認定したときは、その旨を告示しなければならない。

5 まちづくり団体は、認定内容の一部を変更しようとするときは、市長に変更の申請をしなければならない。

6 第3項及び第4項の規定は、前項の変更について準用する。ただし、軽易な変更については、この限りでない。

(景観まちづくり地域計画)

第16条 まちづくり団体は、当該地域の景観まちづくり地域計画(以下「地域計画」という。)を策定しなければならない。

2 地域計画は、基本計画及び景観計画を踏まえ当該地域の特性にふさわしい景観まちづくりに資するため、地区計画等、建築協定又は市街地開発事業の内容を反映させることに努めるとともに、当該地域環境の向上を図るための方策を内容とするものとする。

3 まちづくり団体は、地域計画を策定するときは市長と協議しなければならない。

第5章 景観まちづくり協定

(自主協定)

第17条 地域計画を策定したまちづくり団体は、当該地域の景観まちづくりを推進するため、その計画の全部又は一部について、地域市民による自主的な協定を締結することができる。

(市長との協定)

第18条 市長は、地域計画の全部又は一部が次の各号に該当するときは、当該地域の景観まちづくりを推進するため、まちづくり団体と地域計画の全部又は一部について、景観まちづくり協定(以下「協定」という。)を締結することができる。

(1) 一定の地域における景観まちづくりを目的としているもの

(2) 地域市民の多数に支持されていると認められるもの

(3) 内容が財産権等を不当に制限しないもの

(4) 内容を実現できる体制が整っているもの

(5) 市の施策に整合しているもの

2 前項に規定する協定を締結しようとするまちづくり団体は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。

3 市長は、前項の申請があったときは、その内容を当該申請のあった日の翌日から起算して2週間公衆の縦覧に供するものとし、地域市民は、縦覧期間満了の日までに、市長に意見書を提出することができる。

4 市長は、第1項の協定を締結しようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。

5 市長は、まちづくり団体と協定を締結したときは、その旨を告示するとともに、その内容を公衆の縦覧に供しなければならない。

(協定の変更)

第19条 まちづくり団体は、協定内容の一部を変更しようとするときは、市長に変更の申請をしなければならない。

2 前条第3項から第5項までの規定は、前項の変更について準用する。ただし、軽易な変更については、この限りでない。

(都市計画決定等)

第20条 市長及びまちづくり団体は、協定の全部又は一部が地区計画等又は建築協定若しくは市街地開発事業の要件に適合するときは、積極的に都市計画法に基づく都市計画の決定等を目指すものとする。

(協定地域での施設整備)

第21条 市長は、第18条の規定により協定を締結した地域において、公共施設の整備又は改善等をするときは、当該地域計画の協定に沿うよう努めなければならない。

(団体認定の取消し及び協定の解消)

第22条 市長は、まちづくり団体が第15条第1項の要件に該当しなくなったとき、又はまちづくり団体から認定の取消しの申出があったときは、当該まちづくり団体の認定を取り消すことができる。

2 市長は、協定が第18条第1項の要件に該当しなくなったとき、又はまちづくり団体から協定の解消の申出があったときは、当該協定を解消することができる。

3 市長は、前2項における取消し又は解消をしようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、第1項における認定の取消し又は第2項における協定の解消をしたときは、その旨を告示するとともに、まちづくり団体に通知しなければならない。

(協定の遵守と協議)

第23条 協定の地域において開発事業を行おうとする事業者は、規則で定めるところにより、事前にまちづくり団体とその内容について協議するとともに、協定の内容に適合するよう努めなければならない。

2 事業者は、前項の規定により、まちづくり団体と協議した協議書を市長に提出しなければならない。

3 市長は、必要に応じ事業者及びまちづくり団体に対し指導又は助言することができる。

第6章 景観等形成建築物

(景観等形成建築物の指定)

第24条 市長は、次の各号のいずれかに該当する建築物で、景観まちづくりに寄与していると認められるものを景観等形成建築物として指定することができる。

(1) 市域又は地域の景観を特徴づけているもの

(2) 歴史的価値又は建築的価値を持つもの

(3) 市民に愛され親しまれているもの

2 市長は、前項の規定により指定をしようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、第1項の指定に当たっては、当該建築物の所有者及び使用することができる権原を有する者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。

4 市長は、景観等形成建築物の指定をしたときは、その旨を告示するとともに、所有者等に通知しなければならない。

(管理計画)

第25条 市長は、景観等形成建築物については、基本計画に沿って管理計画を定めなければならない。

2 市長は、管理計画を定めようとするときは、所有者等の意見並びに審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、管理計画を定めたときは、その内容を所有者等に通知しなければならない。

4 前2項の規定は、管理計画の変更について準用する。

(管理計画の遵守と協議)

第26条 景観等形成建築物について、管理計画で規定する改変行為を行おうとする事業者は、規則で定めるところにより、事前に市長に届け出て、その内容について協議するとともに、管理計画に適合するよう努めなければならない。

2 市長は、必要に応じ事業者に対し指導又は助言することができる。

(所有者等の変更の届出等)

第27条 景観等形成建築物の譲渡等をしようとする所有者等は、規則で定めるところにより、事前に市長に届け出るとともに、相手方に対し景観等形成建築物である旨を通知しなければならない。

2 市長は、譲渡等がされた景観等形成建築物については、新たな所有者等の同意を得なければならない。

(指定の取消し)

第28条 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、景観等形成建築物の指定を取り消すことができる。

(1) 第24条第1項の要件に該当しない状況になったとき。

(2) 第22条第2項の同意が得られないとき。

(3) 所有者等から指定の取消しの申出があったとき。

(4) 公益上の理由又は特別の理由があるとき。

2 市長は、前項の取消しをしようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、景観等形成建築物の指定を取り消したときは、その旨を告示するとともに、所有者等に通知しなければならない。

第7章 景観まちづくり審議会

(審議会の設置)

第29条 市長は、景観まちづくりに必要な事項を審議するため、景観まちづくり審議会を設置する。

2 審議会は、委員20人以内をもって組織する。

3 委員は、景観まちづくりに関して、識見を有する者及び市民のうちから市長が委嘱する。

4 前項の委員のほか市長が必要があると認めるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。

5 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

第8章 専門家派遣制度

(景観まちづくりアドバイザーの派遣)

第30条 市長は、まちづくり団体及び当該団体を結成しようとする地域市民から、景観まちづくりについての指導又は助言の要請があったときは、必要により景観まちづくりアドバイザーを派遣することができる。

2 派遣を受けたまちづくり団体及び当該団体を結成しようとする地域市民は、市長に実績報告をしなければならない。

3 派遣に係る経費の一部は、規則で定めるところにより市が負担する。

第9章 表彰・助成等

(表彰)

第31条 市長は、景観まちづくりに寄与している建築物等の所有者、設計者及び施工者並びに個人及び団体を表彰することができる。

(助成)

第32条 市長は、景観まちづくりを推進する事業について、規則で定めるところにより、その経費の一部を個人又は団体に助成することができる。

第10章 補則

(調査等)

第33条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、関係者の土地及び建築物等へ立入り、調査し、又は関係者に質問することができる。

2 前項の調査等に当たる者は、市長の指定する者でその身分を証明する証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

(報告)

第34条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、関係者に必要な事項の報告を求めることができる。

(適用除外)

第35条 市長は、国又は地方公共団体等が非常災害のため必要な応急措置として行うものなど特別の事情があり、この条例を適用することが不適当と認める場合は、この条例の全部又は一部の規定を適用しないことができる。

(委任)

第36条 この条例の施行に関し、必要な事項は規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日前にこの条例による改正前の交野市景観まちづくり条例第7章の規定により届出のあった行為については、なお従前の例による。

交野市景観まちづくり条例

平成25年12月27日 条例第59号

(平成26年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第3章 都市計画・公園
沿革情報
平成25年12月27日 条例第59号