財務諸表(財務諸類)とは
地方自治体の会計は、各会計年度に支出すべき経費の財源は当該年度の収入をもって充てるという「会計年度独立の原則」から、各会計年度内の現金のみの出入りを記録する現金主義(単式簿記)となっています。
しかし、現金以外の資産負債を含めた行政資源の動きや減価償却費等の現金支出の伴わないコストも把握しようとした場合、単式簿記では不可能であり複式簿記が必要とされるようになりました。
これにより、平成17年12月24日に「行政改革の重要方針」が閣議決定後進められた「新地方公会計制度研究会報告書」では、財務書類4表を整備するよう方針が示されました。作成方式については、現在のところ主に「総務省改訂モデル」と「基準モデル」の2つの方式が示されました。
総務省による平成26年度決算に係る財務書類整備状況(平成28年3月31日時点)において、財務書類作成済と作成中を合わせた着手済の団体は1,788団体中1,616団体(90.4%)です。交野市は、1,616団体のうち77.8%が選択している「総務省改訂モデル」で作成しています。
【貸借対象表】
各会計年度末時点で、どのような資産を保有しているのかと(資産保有状況)、その財産がどのような財産でまかなわれているのかを(財源調達状況)対照表示した財務書類。
【行政コスト計算書】
1年間の行政活動のうち福祉活動やごみの収集といった資産形成に結びつかない行政サービスに係る経費(経常的な費用)とその行政サービスの直接対価として得られた使用料・手数料などの収益(経常的な収益)を対比させた財務書類。
【資金収支計算書】
行政サービスに伴う現金などの資金の流れを、性質の異なる3つの区分(「経常的収支の部」、「公共資産整備収支の部」、「投資・財務的収支の部」)に分けて表示した財務諸表。企業会計におけるキャッシュフローにあたるもの。
【純資産変動計算書】
貸借対照表の純資産の部に計上されている各項目が1年間でどのように変動したかを示す財務書類。今までの世代が負担してきた部分が1年間でどのように増減したかを表示した財務書類。

名 称
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説 明 |
資 産 |
過去の事象の結果として市が扱う資源であり、以下の項目をいう。
・将来の資金流入をもたらすもの(例:貸付金・未収税金)
・将来の行政サービス提供能力を有するもの(例:施設・道路)
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負 債
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過去の事象に起因する現在の義務であって、その履行が地方公共団体に対して、将来、行政サービスの提供能力又は経済的便宜の減少を生じさせるものをいう。いわば将来世代の負担である。地方債や退職手当引当金が代表例である。 |
純資産 |
資産から負債を控除したもので、正味の資産をいう。資産の財源としてみた場合、過去及び現役世代が負担した部分である。施設整備の財源として受け取った国や都道府県の補助金、施設整備の際に投入した地方税が代表例である。 |
行政コスト |
行政サービス提供に伴って発生する純資産の減少要因をいう。人件費や物件費が代表例である。 |
収 益
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行政サービス提供の対価として獲得される純資産の増加要因をいう。施設の使用料や住民票発行に係る手数料などが代表例である。 |
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各年度の財務諸表
関連リンク
・大阪府 大阪府内市町村の平成26年度財務書類に関するページ
・総務省 地方公会計に関する資料