○交野市自然環境の保全等に関する条例

平成13年1月10日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、災害の防止や生活環境に寄与する里山の自然環境及び緑地の保全又は整備(以下「自然環境の保全等」という。)を図り、安全で快適な都市環境の形成を確保することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 里山 災害の防止や生活環境に重要な役割を果たす山地部の樹林の地域又は樹林と一体となっている草地、水辺地等の地域をいう。

(2) 緑地 火災の延焼防止や公害の緩衝等都市災害の防止や生活環境に重要な役割を果たす平地部の緑地又は樹林の地域をいう。

(3) 土地所有者等 里山又は緑地の所有権者又は使用する権原を有する者をいう。

(4) 市民 市内に居住する者又は土地若しくは建築物を所有する者をいう。

(5) 事業者 土地の区画形質の変更を行う者又は建築物を建設する者をいう。

(基本指針)

第3条 自然環境の保全等は、里山及び緑地が本来持つ多様な機能を保持増進する対策を講じながら、次世代により良い姿で継承し、市民の快適な生活環境の確保を目指すものとする。

(責務)

第4条 市長は、自然環境の保全等を推進するための総合的な施策を策定し、実施しなければならない。

2 市民及び土地所有者等は、市長が実施する前項の施策に協力するとともに、自らその実行に努めなければならない。

3 事業者は、市長が実施する第1項の施策に協力しなければならない。

(基本計画の策定)

第5条 市長は前条第1項の総合的な施策として、自然環境の保全等の基本的な目標を明らかにし、その実現を計画的に実施するため、都市緑地保全法(昭和48年法律第72号)第2条の2に基づく「緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画」(以下「緑の基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 市長は、緑の基本計画を策定するにあたっては、市民の意見を反映する措置を講ずるとともに、交野市自然環境保全等委員会(以下「委員会」という。)の意見を聴かなければならない。

(啓発等)

第6条 市長は、自然環境の保全等について、調査及び研究を行うとともに、市民、土地所有者等及び事業者の意識を高め、知識の普及を図るための施策を講じなければならない。

(里山の指定)

第7条 市長は、次の各号に該当するものを保全整備すべき里山として指定することができる。

(1) 保全里山 水源かん養及び土砂の流出防備等又は都市景観に寄与する里山で規則で定める区域に存するもの

(2) 特定保全里山 生活環境又は都市景観に寄与する里山で規則で定める区域に存するもの

(3) 景観保全里山 名所又は旧跡の風致を保存する里山

2 市長は、前項の里山の指定をしようとするときは、委員会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、第1項の指定にあたっては、土地所有者等の承諾を得なければならない。

4 市長は、第1項の指定をしたときは、その旨を告示するとともに、土地所有者等に通知しなければならない。

5 市長は、第1項の指定をしたときは、規則で定めるところにより標識を設けるものとする。

(緑地の指定)

第8条 市長は、次の各号に該当するものを保全整備すべき緑地として指定することができる。

(1) 防災保全緑地 公害又は災害の防止等のため必要な緑地

(2) 生活環境保全緑地 古木、生け垣又は樹林地等で、生活環境に寄与する緑地

(3) 景観保全緑地 神社、寺院等の建造物又は遺跡等と一体となっている風致を保存するための緑地

2 前条第2項から第5項の規定は、前項の緑地の指定について準用する。

(指定区域の変更又は解除)

第9条 市長は、第7条第1項又は前条第1項の規定により指定した区域(以下「指定区域」という。)が、次の各号のいずれかに該当するときは、指定区域を変更又は解除することができる。

(1) 指定区域の譲渡等により新たな土地所有者等の承諾が得られないとき。

(2) 公益上の理由又は特別の理由があるとき。

2 第7条第2項及び第4項の規定は、前項の指定区域の変更又は解除について準用する。

(法令の指定)

第10条 市長及び土地所有者等は、里山及び緑地について次の関係法令による指定に努めるものとする。

(1) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第1号に規定する自然公園又は森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項に規定する保安林

(2) 都市緑地保全法第3条第1項に規定する緑地保全地区又は都市計画法(昭和43年法律第100号)第11条第1項第2号に規定する公園、緑地その他の公共空地

(3) 都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律(昭和37年法律第142号)第2条第1項に規定する保存樹又は保存樹林

(4) 大阪府自然環境保全条例(昭和48年大阪府条例第2号)第11条第1項に規定する大阪府自然環境保全地域又は同条例第16条第1項に規定する大阪府緑地環境保全地域

(管理活用計画の策定)

第11条 市長は、自然環境の保全等に係る里山及び緑地の管理活用についての指針となる計画(以下「管理活用計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、管理活用計画を策定しようとするときは、委員会の意見を聴かなければならない。

(行為の制限)

第12条 指定区域においては、土地の区画形質の変更及び木竹の伐採は、してはならない。ただし、通常の管理に伴うもの又は非常災害のため必要な応急措置として行うものについては、この限りでない。

(管理協定等)

第13条 指定区域の土地所有者等は、市長と指定区域についての管理協定を締結するものとする。

(立入調査)

第14条 市長は、指定区域の管理活用について必要があると認めるときは、市長の指定した者に指定区域に立ち入り、調査させ、土地所有者等に対して、必要な指導助言をさせることができる。

2 前項の立入調査にあたる者は、あらかじめ土地所有者等に、その身分を示す証明書を提示しなければならない。

(管理委託等)

第15条 特定保全里山の土地所有者等は、特定保全里山の管理活用を市長に委託することができる。

2 市長は、前項の管理活用をするときは、土地所有者等と管理委託協定を締結するものとする。

(里山保全団体)

第16条 市長は、里山の保全整備を市民等と連携を図りながら行うため、市民等で構成する里山保全団体の育成に努めるものとする。

2 里山保全団体は、里山に関する調査及び研究を行うとともに、自ら里山の保全整備活動を行うものとする。

3 市長は、前条第2項の規定により管理委託協定を締結した特定保全里山の管理活用を里山保全団体に委託することができる。

4 里山保全団体に関する事項は、規則で定める。

(譲渡の届出)

第17条 指定区域の所有権又は使用する権原を譲渡しようとする土地所有者等は、規則で定めるところにより、事前に市長に届け出なければならない。

(必要な措置)

第18条 市長は、前条の届出のうち、里山の保全整備を図るうえで特に必要と認められる特定保全里山については、里山の機能を確保するため、当該特定保全里山の使用する権原の取得その他の必要な措置(以下「必要な措置」という。)を講ずることができる。

2 市長は、必要な措置を講ずるにあたっては、あらかじめ委員会の意見を聴かなければならない。

3 前2項に定めるもののほか、必要な措置に関する事項は、規則で定める。

(委員会)

第19条 市長は、自然環境の保全等に必要な事項を検討するため、交野市自然環境保全等委員会を設置する。

2 委員会は、この条例の規定により意見を述べるほか、市長の諮問に応じ、自然環境の保全等に関する事項について、市長に意見を述べることができる。

3 委員会を組織する委員は、専門的知識を有する者、土地所有者等及び市民から市長が委嘱する。

4 前各項に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(助成)

第20条 市長は、指定区域の土地所有者等に規則で定めるところにより、指定区域の保全整備について支援及び助成することができる。

(表彰)

第21条 市長は、自然環境の保全等に寄与している個人及び団体を表彰することができる。

(委任)

第22条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、規則で定める日から施行する。

(平成13年規則第17号で平成13年10月1日から施行。ただし、第19条の規定は、平成13年6月1日から施行)

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に改正前の交野市自然環境の保全等に関する条例第7条第2号及び第3号の規定に基づき指定された防災・環境保全緑地は、改正後の交野市自然環境の保全等に関する条例第8条第1項第2号に規定する生活環境保全緑地及び同項第3号に規定する景観保全緑地として指定されたものとみなす。

交野市自然環境の保全等に関する条例

平成13年1月10日 条例第1号

(平成13年10月1日施行)