○交野市男女共同参画推進条例

平成26年3月31日

条例第6号

目次

前文

第1章 総則(第1条~第10条)

第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策(第11条~第17条)

第3章 交野市男女共同参画審議会(第18条)

第4章 補則(第19条)

附則

我が国においては、日本国憲法で個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向けた様々な取組が、国際社会における取組と連動しながら進められてきた。

しかし、今なお、社会の様々な分野で性別による固定的な役割分担意識や慣行が根強く残っており、特に女性の個性や能力が十分に発揮されていない状況である。

さらに、セクシュアル・ハラスメントやドメスティック・バイオレンスによる人権侵害などの社会問題が表面化し、男女共同参画社会の実現には多くの課題が残されている。

少子高齢化社会が進展し、社会経済情勢が急速に変化する中で、豊かで活力ある社会を構築していくためには、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い、個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現が一層求められている。

このような状況を踏まえ、星にまつわる伝説が残り、織姫の里として親しまれる交野の地で、地域の特性をいかしながら男女が共にいきいきと暮らすことができるまちづくりを目指し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民、事業者及び市民団体の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本的事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、もって男女共同参画社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会における男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に居住し、又は市内で活動するすべての者をいう。

(4) 事業者 市内において、事業活動を行う者又は法人その他の団体をいう。

(5) 市民団体 市内において、地域的な共同活動を目的として組織されている団体及び社会貢献活動を行う団体をいう。

(6) セクシュアル・ハラスメント 相手の意に反した性的な言動により、相手方に精神的、経済的及びその他の不利益を与えることをいう。

(7) ドメスティック・バイオレンス 配偶者等からの身体的、精神的、性的、経済的、言語的及びその他の暴力をいう。

(8) ワーク・ライフ・バランス 一人ひとりが、やりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できることをいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画は、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。

(1) 男女が、直接的であるか間接的であるかに関わらず、性別による差別的取扱いを受けず、互いの人権が尊重されること。

(2) 男女が、性別による固定的な役割分担意識に基づいた社会の制度又は慣行によってその活動が制限されることなく、自らの意思と責任により多様な生き方を選択できること。

(3) 男女が、社会の対等な構成員として、市の政策、職場、学校、家庭及びその他のあらゆる場における方針の立案及び決定に参画し、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されること。

(4) 男女が、互いの協力と社会の支援の下に、家庭生活における活動、職業生活、地域生活等における活動に対等に参画でき、ワーク・ライフ・バランスが保たれていること。

(5) 男女共同参画の推進は、男女がそれぞれの身体的特徴に理解を深め、妊娠、出産等に関して、互いの意思を尊重し、心身ともに健康な生活を生涯営むことができるようにすること。

(6) セクシュアル・ハラスメント及びドメスティック・バイオレンスは、犯罪及び人権侵害であるとの認識を共通のものとし、根絶を目指すこと。

(7) 男女共同参画の推進は、国際社会における取組と密接な関係があるとの認識に立ち、国際的な協調のもとに行うこと。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、実施する責務を有する。

2 市は、男女共同参画の推進に当たり、必要な体制を整備するとともに、財政上の措置を講ずるものとする。

3 市は、男女共同参画の推進に関する施策について、市民、事業者及び市民団体並びに国及び他の地方公共団体と相互に連携して取り組むものとする。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、男女共同参画に関する理解を深め、社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めるものとする。

2 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に、積極的に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、事業活動を行うに当たっては、男女の対等な参画機会が確保されるよう努めるものとする。

2 事業者は、ワーク・ライフ・バランスを実現できる就労環境の整備に努めるものとする。

3 事業者は、市、市民及び市民団体との連携を図り、市等が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(市民団体の責務)

第7条 市民団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画に関する理解を深め、団体の運営及び活動において、男女が平等に参画できる環境を整備するとともに、方針の立案及び決定においては、男女がともに発言の機会を得ることができるよう努めるものとする。

2 市民団体は、市等が実施する男女共同参画の推進に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(教育に関わる者の責務)

第8条 教育に関わる者は、家庭教育、職場教育、学校教育、社会教育及びその他の教育の場において、男女共同参画を推進するよう努めるものとする。

(公衆に表示する情報に関する配慮)

第9条 何人も、公衆に情報を表示する際には、次に掲げる表現を用いないよう配慮しなければならない。

(1) 性別による固定的な役割分担若しくは差別を連想させ、又は助長する表現

(2) 性別に起因する暴力を助長し、又は是認させる表現

(3) 不必要な性的表現

(性別による権利侵害の禁止)

第10条 何人も、社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱い、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンス及びその他の性別に起因する人権侵害を行ってはならない。

第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策

(男女共同参画計画)

第11条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を策定しなければならない。

2 市長は、男女共同参画計画を策定し、又は変更するに当たっては、市民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

3 市長は、男女共同参画計画を策定し、又は変更したときは、速やかにこれを公表するものとする。

(積極的改善措置)

第12条 市は、あらゆる分野の活動において、男女間に格差が生じている場合には、市民、事業者及び市民団体等と協力し、必要に応じ、積極的改善措置を講ずるよう努めるものとする。

(男女共同参画への関心及び理解を深めるための施策)

第13条 市は、市民団体等との協働により、男女共同参画に関する市民及び事業者の関心及び理解を深めるための講座等の啓発活動の実施及び広報活動その他適切な措置を講ずるものとする。

(教育分野における措置)

第14条 市は、学校教育、社会教育及びその他のあらゆる分野の教育における男女共同参画を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。

(情報の収集及び調査研究)

第15条 市は、男女共同参画に関する施策の推進に必要な事項及び男女共同参画の推進を阻害する問題についての情報収集並びに調査研究を行うものとする。

(市民等の活動への支援)

第16条 市は、市民、事業者及び市民団体が実施する男女共同参画の推進に関する活動に対し、情報の提供及びその他の支援を行うものとする。

(体制整備)

第17条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施し、市民、事業者及び市民団体による男女共同参画の推進に関する活動を支援するため、当該実施及び支援に必要な体制を設けるものとする。

第3章 交野市男女共同参画審議会

(交野市男女共同参画審議会)

第18条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、本市における男女共同参画を推進するため、市長の附属機関として、交野市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、市長の諮問に応じ、男女共同参画計画の策定及び変更並びに男女共同参画の推進に関する重要事項について調査及び審議する。

3 審議会は、委員10人以内で組織する。

4 委員のうち、男女いずれか一方の委員数は、委員総数の10分の4未満であってはならない。

5 委員は、次に掲げる者のうちから市長が任命する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 教育関係者

(3) 関係団体からの推薦を受けた者

(4) 一般市民

(5) その他市長が適当と認める者

6 委員の任期は、2年とし、再任されることを妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

8 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し、必要な事項は、市長が別に定める。

第4章 補則

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成26年4月1日から施行する。

交野市男女共同参画推進条例

平成26年3月31日 条例第6号

(平成26年4月1日施行)