令和5年度施政方針

公開日 2023年02月22日

 山本景市長は、令和5年2月22日、令和5年第1回議会定例会で、令和5年度の施政方針を表明しました。

 施政方針は次のとおりです。

 令和5年度施政方針[PDF:616KB]

 

目次

1.はじめに
2.交野市を取り巻く状況
3.取組姿勢と5つの重点施策
 (1)便利な交野コミュニティーバス
 (2)市役所は移転せず耐震化
 (3)小中一貫校でなく小中別に整備
 (4)水道料金の13%値上げ凍結
 (5)財政健全化
4.令和5年度の主要な取組み
 ■みんなで子どもを育み、子どもがのびのびと学ぶまち
 ■みんなが互いを認め支え合い、笑顔と元気があふれるまち
 ■みんなが助け合い、安心して住み続けられるまち
 ■みんながつどい交流し、活力が生まれるまち
 ■みんなで自然や文化を慈しみ、次世代に引き継いでいくまち
 ■行政の経営方針
5.予算編成
6.おわりに

 

1.はじめに

 令和5年第1回議会定例会におきまして、予算をはじめとする諸議案をご審議賜るにあたり、新年度における市政の運営方針と予算の概要を申し上げ、市議会議員並びに交野市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと考えます。

 

 改めてではありますが、本年は、卯年でございます。卯は兎であり、その跳躍する姿から、飛躍の1年という言い方もされますが、一方で、兎は逃げ足の速い動物でございます。逃げられることなく、跳ね損ねることなく、飛躍の1年となりますよう努力精進して参ります。

 

 

2.交野市を取り巻く状況

(新型コロナウイルス)
 長引く新型コロナウイルスの流行について、これまで何度となく感染拡大と縮小が繰返されて参りましたが、直近で流行したオミクロン株は従来株に比べて重症化率が低い傾向にあったことや、オミクロン株対応のワクチン接種が始まったこと等を受け、オミクロン株は現在も変異を続けているものの、法律に基づく感染対策の段階的な軽減を目指し、本年5月8日から、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に引下げることを決めました。
 これに伴い、行動制限や医療機関の対応、医療費に係る公費負担などの取扱が変わりますが、まずは、コロナ禍前の日常にもどる第一歩であり、歓迎すべき節目と考えております。

 

 これまで3年に渡り、感染リスクと向き合いながら、最前線でご尽力くださってこられた医療従事者を始め、子育てや福祉の現場など暮らしに欠かせない職務に従事されてこられた多くの方々、感染症対策にご理解・ご協力くださる交野市民の皆様や事業者の皆様に、改めて感謝を申し上げます。

 

 しかしながら、法律上の取扱が「5類」に移行しても、新型コロナウイルス感染症の感染力や病原性が変わるわけではないことから、交野市民の皆様におかれましては、引続き、流行の状況にご留意たまわり、リスクに応じた感染症対策にご協力くださいますようお願い申し上げます。

 

(物価高騰)
 また、昨年は、コロナ禍だけでなく、交野市民の皆様の暮らしに大きな影響を与える出来事がありました。新型コロナウイルス感染症により低調となっていた経済活動が再開される中、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻もあり、原油や天然ガスなどのエネルギー価格や小麦などの原材料費価格が高騰し、さらに、一時1ドル150円を超える円安による影響も伴い、我が国でもガソリン価格、電気料金、ガス料金、食品などの値上げが続きました。

 

 総務省が令和5年1月20日に発表した昨年12月のCPI(Consumer Price Index 消費者物価指数)は、前年同月比で4.0%上昇でした。これは、第2次石油危機の影響で物価が上昇していた1981年12月以来、41年ぶりの上昇率です。
 しかしながら、総務省が毎月公表しているCPIから天候や市況などに左右されやすい食品(比較的価格の安定している酒類を除く)やエネルギーを除いたコアコアCPIについては、昨年12月1.6%の上昇に過ぎませんし、コアコアCPIの昨年1年間の月次平均は、約0.2%の上昇に過ぎません。一部の数字だけを切取った報道に踊らされることなく、冷静な対応も必要でございます。

 

 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が長期化していることから市場は、そういった要因も折込済であり、WTI(West Texas Intermediate)の1バレル(約159リットル)あたりの原油価格は一時130ドルを超えていましたが、70ドル代までに低落しております。
 天然ガス価格において、100万BTU(British Thermal Unit)=約25立米あたり、過去10ドル程度であったものが、一時20ドルを超えましたが、現在10ドル代まで戻っておりますし、アメリカにおいては、100万BTUが4ドルを割るなど、沈静化の動きがあります。石炭価格は1トン400ドル以上まで高騰していたものの、もはや約200ドル程度と約半値まで暴落しております。
 さらに円ドルの為替相場についても、日本銀行による為替介入や令和4年12月20日における日本国債のデュレーション(残存年数)毎の金利を表す曲線であるイールドカーブにかかるイールドカーブコントロールのうち、10年国債の変動幅を±0.25%⇒±0.5%に緩和することで、10年国債の金利が上昇したこともあり、1ドル130円程度と、円安もひと段落しつつあります。
 関西電力においては、高浜原発1号機と高浜原発2号機を再稼働予定であり、東日本大震災以前の原発の稼働状況に戻ります。さらに石油、ガス、石炭、価格が沈静化することから火力発電のコストは下がり、関西電力管内においては、発電部門において、値上げは行われない予定どころか、このまま推移すると、燃料費調整額は引下げられるものと考えます。
 なお、関西電力送配電において、本年4月1日から、低圧の電気で1KWH0.27円、託送料金を値上げする見込ですが、この1KWH0.27円は全体からするとごくごくわずかであると考えています。一方で、経済産業省は、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」において、本年1月~8月分で、低圧の電気で1KWH7.0円、都市ガスで1立方メートル30円の支援をいたします。

 

 交野市といたしましては、食品やエネルギーが一時的に高騰していることは事実であることから、昨年10月、私が市長に就任した直後の議会において、子育て世帯に対し、児童一人あたり1万円を給付する臨時特別給付金事業や、水道基本料金の2か月免除に係る補正予算を提案し、給食費の3学期分の免除にかかる提案については「給食費が免除となっている約10%の非課税世帯が今回の対象とならず不公平」等として修正削除されたものの、速やかに取組を進めてきたところでございます。
 とりわけ、水道基本料金の2か月免除は、実感としてわかりにくいとの議会からのご指摘を受け、それに係るビラを検針時に配布する等、その周知を徹底いたしました。しかしながら、交野市独自の施策では限界があるものと考えておりますので、引続き動向を注視し、国や府への要望など、必要な取組を進めて参ります。

 

(人口動態)
 去る令和5年1月30日、総務省は、令和4年1年間における全国の転入・転出の状況をまとめた「住民基本台帳人口移動報告」を発表いたしました。これによると、交野市においては、転入が2,565人、転出が2,360人であり、205人の転入超過でした。この結果は、大阪府内では上から6位、北河内地域ではナンバーワンであり、多くの方が交野市を評価し、選んで下さっているものと考えます。

 

 北河内においては、江戸時代の京街道の宿場町が枚方、守口、といった淀川南岸沿いに整備されたこともあり、京阪本線や国道1号は淀川南岸沿いを通り、その沿線や沿道を中心に発展をして参りました。
 しかしながら、第二京阪道路が開通し、さらに今後、新名神と接続し、淀川左岸線や淀川左岸線延伸部とも直結します。JR学研都市線は、JR東西線との接続やJRおおさか東線との交差が実施され、今後、大阪モノレールと接続を予定していることから、北河内の賑わいの中心は移行していくと考えます。
 交野市は、市域の中心部を第二京阪道路が通り、また、JR学研都市線の快速停車駅が2つもある市です。交野市がこの北河内の発展をけん引する時代がくると私は考えます。
 なお、出生と死亡を加味した昨年トータルの人口動態は、残念ながら微減であり、より、転入超過を増やすことが課題であると考えます。

 

 この人口移動報告の中身を拝見しますと、0歳から10代半ばまでの子どもと、その親にあたる30代から50代にかけての世代が大幅に転入超過となっているといううれしい面がある一方で、20代については、大幅に転出超過となっているという残念な面もございます。
 つまりは、多くの若者が、就職等を契機に交野市を離れていることを意味しており、20代においても引き続き交野市に居住し続けてもらえる、また、一度、交野市外に転出しても、近い将来、交野市に戻ってきてもらえるような取組が必要になってくるものと考えます。
 また、全国的な潮流である少子化について、交野市では必ずしも軌を一にしない状況にあり、今後の学校統廃合や保育定員の確保については、慎重に検討すべきと考えます。

 

 人口減少・少子高齢化という社会潮流の中であっても、交野市の活力を将来に渡って維持していくためにも、子育て世代の方々が多く転入してくださっていることは、大変喜ばしいことと考えております。
 そしてこれまで以上にこの流れが強くなるよう広い敷地の一戸建を中心とする良好な住宅環境の維持や交野市のブランドを傷つけないような新たな都市基盤整備に取組むとともに、若い世代が安心して出産・子育てでき、また、子どもが健やかに成長し、仮に転出しても再び戻ってきてもらえる環境づくりを取組んで参ります。

 

3.取組姿勢と5つの重点施策

(取組姿勢)
 さて、昨年9月4日の交野市長選挙により、私が市長に就任してから、早くも5か月が経過しました。交野市長選挙においては、市政に変化を求める多くの交野市民の皆様の思いが、私を市長に押し上げたものと考えており、所信表明においても、それら交野市民の皆様の思いや願いを片時も忘れることなく、市政の舵取を進めていくことをお約束いたしました。
 この間、2回の議会が開催され、市議会議員の皆様とも様々な議論を交わして参りました。ご可決賜った議案があった一方、残念ながら修正となった議案もございました。このような過程を経て、私も大いに学びを得ているところでございます。
 ご承知のとおり、地方自治体の運営においては、首長と議会議員をともに住民が直接選挙で選ぶ、「二元代表制」がベースでございます。私も、市議会議員の皆様も、共に交野市民の皆様の負託を受けてこの場に立っているのであり、意見の相違はあっても、市政の前進ひいては交野市の発展のために、議論を尽くしていくことが肝要と考えております。
 私が目指すまちづくりは、「みんなでつくるみんなの交野」であり、交野市民の皆様の声を丁寧に聞く市政運営でございます。本議会においては、私が就任して初めてとなる令和5年度当初予算に係る議案を提案しておりますが、議員の皆様とも丁寧に議論を尽くし、市政を停滞させることなく前に進めていきたいと考えておりますので、慎重審議くださり、ご賛同くださいますようお願い申し上げます。

 

(5つの重点施策)
 それでは、令和5年度に向けて、所信表明に掲げた5つの重点施策の方向性について、順にご説明申し上げます。

 

(1)便利な交野コミュニティーバス

 まず、コミュニティーバス導入等に係る方向性につきましては、既存の公共交通事業者との共存を前提としながら、公共交通の不便地域や公共交通が脆弱な地域において、高齢者や障がいのある方などへの外出支援制度の充実に取組んで参りたいと考えております。地域公共交通事業を取巻く環境は依然として厳しい状況であることから目指すべき地域の方向性や仕組を見出していくために、道路運送法に基づく「地域公共交通会議」を設置したいと考えており、本議会においても関連する議案を提案いたします。
 この検討会議において、関係行政機関や公共交通事業者をはじめ、学識経験者や交野市民の皆様等と福祉施策としての外出支援のあり方も含め、検討を進め、持続的な地域公共交通体系に繋げていきたいと考えておりますが、この検討期間においての対応策として、交通系ICカード等運賃補助の大幅な増額と、妊婦へのタクシー運賃補助の増額を行うとともに、寺・神宮寺地区巡回バスの東倉治地区までの延伸運行を試行的に実施いたしますし、今後、さらに踏込んだ施策の実施を検討しており、そのため、後述にはなりますが、恒久的な財源をお示しいたします。

 

(2)市役所は移転せず耐震化

 市役所に関しましては、現在、現庁舎の耐震化に係る課題等の整理を進めております。工事に伴う仮設庁舎機能の確保など、耐震工事に係る直接的な課題があるほか、現時点において耐震性が不足しており、来庁者や職員などの安全性の確保が喫緊の課題となっていますことから、耐震改修だけではなく、屋上防水、外壁補修、空調機器の更新といった、ある一定の長寿命化改修等も視野に入れた整備について、検討を進めて参ります。
 また、青年の家へのエレベーター設置につきましては、私の公約でございますが、設置可能性に係る調査に着手しているところであり、調査結果が明らかになり次第、対応について検討して参ります。

 

(3)小中一貫校でなく小中別に整備

 私は、学校施設と社会教育施設とは異なるものであることから、学校敷地内にプールを設置し、子どもたちの学校教育環境を整えることが大切であり、交野市の子どもたちがのびのびと遊べる広い運動場があるべきと考えており、先の市長選挙においては、小中別に整備すると訴えて参りました。
 市長就任直後から、現受託事業者と契約変更に向けた協議を行い、これを実現するには様々な課題があることから、議会をはじめ保護者や交野市民の皆様、地域等への説明会を開催し、これらの経緯や事情について説明のうえ、様々なご意見を頂戴して参りました。

 

 多くの意見を頂く中、現在進められている一貫校建設の課題としては「グラウンドが狭いこと」、「敷地内にプールが無いこと」、「小学生と中学生が同じ校舎で学ぶこと」の大きく3つに集約されるものと考え、これらの課題をクリアしつつ、他の校区との公平性を考慮した案について検討を進め、先日、新たなご提案もお示ししたところです。
 なお、新たなご提案をお示しした上で、令和5年2月14日~16日にかけて、交野みらい小学校の保護者へ交野市長名及び教育長名でアンケート調査を実施いたしました。
 76.7%の保護者から回答があり、「小学校と中学校は別々に学ぶ方がよい」の項目では、そう思う、どちらかと言えばそう思う、と回答した保護者が62.6%でしたが、「小学校・中学校は一緒に学ぶことの不安や心配な点が解消されるなら、小学校と中学校は一緒であってもよい」では、そう思う、どちらかといえばそう思う、が70.1%であり、新たな提案を好意的に受止めて下さっていると判断できます。
 また、「令和7年より遅れても、小学校だけで建設してほしい」では、そう思う、どちらかといえばそう思う、が35.5%でしたが、「令和7年度に間に合うように、施設一体型小中一貫校を建設してほしい」は64.5%であり、保護者の概ね3分の2が令和7年の小中一貫校開校を望んでおられる結果でした。

 

 令和5年度当初予算におきましては、施設一体型小中一貫校の建設にかかる現契約があること、また、継続費として議決を経ているなどの現状があるため、令和5年度の歳出予算に計上せざるを得ないことから計上し、今議会中も様々なご意見をお聞きいたします。
 保護者のご意見も踏まえ、令和5年度の当該箇所が議決された場合、「グラウンドが狭いこと」、「敷地内にプールが無いこと」、「小学生と中学生が同じ校舎で学ぶこと」の課題をできる限り解消するよう努めつつ、第一中校区の学校整備については、施設一体型小中一貫校をベースに整備する方向性で進めて参ります。

 

(4)水道料金の13%値上げ凍結

 水道事業につきましては、食品やエネルギーを中心とする物価高騰の中にあって、水道料金の値上げに踏み切ることはタイミングとして適切ではないと考え、市長就任後、公約どおり、凍結を指示いたしました。
 しかしながら、市長に就任後、水道料金を一定値上げし、供給単価が給水原価を上回ったうえで、基幹管路等の更新等を実施することにより、更新費用に対して3分の1の国庫補助金を受けることが可能であると判明いたしました。そうなってくると、まずは、値上げをすることが、結果として、将来的な交野市民の皆様の負担の軽減につながります。
 そのため、国庫補助金と直近の電気料金の状況等を組込んだシミュレーションを作成のうえ、値上げに対しての激変緩和措置の実施も含めて、今後、経営審議会を開催し、事業経営の望ましいあり方を改めて、検討してもらうべきだと判断いたしました。経営審議会につきましては、時期を調整しつつ開催し、諮問いたします。
 なお、事業経営の悪化の緩和のため、資金調達は短期金利をベースに調達することで金利負担を軽減し、資金運用は超長期で実施いたします。また、乙辺浄化センターの更新時には、水道水希釈による年約5000万円の財政効果を目指します。なお、水道料金値上げの激変緩和措置や今後の水道事業会計の改善には財源が必要であることから、後述にはなりますが、恒久的な財源をお示しいたします。

 

(5)財政健全化

 交野市財政における最大の課題は、過去において土地開発公社が大量購入した不要な土地の処理であり、これまで長期に渡って整理を進めてきたものの、令和3年度末の保有残高は約61億円、起債の残高は第三セクター等改革推進債の残額3億円を含めて約78億円、すなわち、合計139億円です。

 

 令和4年9月に、早速、土地開発公社における借入金利を0.145%に引下げてこれ以上保有残高がほぼ増えないようにし、買戻しもあり、令和4年度末の保有残高は約53億円に減少する見込です。そのため、大阪府との協議に基づき年間約7億円の買戻しを継続した場合、清算まで令和5年度からもう7年間の令和12年度までは買戻しが必要です。
 一般財源、基金、大阪府からの借入に基づく買戻ですので、実質的な一般財源への影響額については、過去に交野市が土地開発公社から買戻した負債の償還分もございますため、一概に年間7億円とは言えませんが、かなりの額の負担が今後7年間と買戻した後に続く負債の償還に必要な20年間の合計27年間つまり、令和32年度まで続きます。
 また、四交クリーンセンターの建設に係る起債償還のため、年間4億1000万円が令和5年度からもう7年間必要であり、令和12年度で2億7000万円、令和13年度で2億5000万円、令和14年度で2億1600万円必要です。
 つまり、今後7年間、令和12年度までは交野市にとって、とりわけ厳しい7年間であり、そして、その後も、今後20年間にあたる令和32年度までは、一定、負担が続く見込です。
 中田仁公交野市長の時代から約20年にわたり、財政健全化に取組みながら、今に至ってもこのような状況に陥っていることは、痛恨の極みであり、交野市民の皆様に対して、お詫びをして許されることではないと考えます。
 そのため、特別職の報酬につきましては、特別職報酬等審議会に諮問し、去る1月26日に答申を賜り、給料月額を近隣と同程度まで増額すべしとしつつも、附帯意見として、今後も厳しい財政状況となることが見込まれる中、各自の判断により給料月額の適正な減額をすることが申し添えられました。
 私といたしましては、答申を尊重し、本議会に「特別職の職員の給与に関する条例」等の改正議案を提出いたしました。この改正議案においては、これまでの経緯を踏まえ、私のけじめと交野市長としてのお詫びと償いのため、私の現任期中の独自減額の率を、市長は30%、副市長、教育長、水道事業管理者は20%とする内容を盛込むことといたしました。併せて、私の現任期における退職手当についても不支給とする議案を提出いたしました。

 

 人口減少、少子高齢化という社会潮流にあって、今後、交野市立小中学校の改修、庁舎の耐震工事と改修、青年の家の改修、いきいきランドの設備機器更新、に多くの費用が必要となる中、過去の負の遺産による財政上の制約を受けることなく、市政運営にあたることができる土台を作っていくため、まずは、この土地開発公社の清算を進めていくことが私の役目であると考えております。
 そうした中においても、交野市民の皆様には今まで以上の負担が単年度でかかるようなことをせず、むしろ知恵を絞って財政効果をねん出し、市民サービスを向上させる方向で予算編成をしたいと考えております。
 そのため、起債の償還が終わっていない土地であっても、市有地の売却収入や公債費管理基金を用いて繰上返済を行い、当該土地を売却することで、将来の公債費及び支払利息に係る負担の軽減を図るべく、先の12月議会に提案し、議決を賜りました。
 結果、令和5年度におきましては、当該土地の売却価格と将来の支払利息相当分で6千万円を超える財政効果を見込んでおり、この財政効果を令和5年度の新規事業に活用いたします。さらに、令和5年度におきましては、令和4年度に土地開発公社から買戻す予定の星田山手4丁目の土地、令和4年度と令和5年度に2年かけて土地開発公社から買戻したないしは買戻す予定の私市4丁目の土地、未だ売却できていない郡津3丁目の市営住宅跡地、私部西3丁目の旧堤とう敷、可能であるならば森南の市営住宅、の売却を進めるないしはチャレンジいたします。
 そうした中での新年度の予算でございますが、一般会計予算においては、社会保障経費の増大や、第一中学校区における学校整備事業を含む公共施設の更新等により、過去最大規模となっております。
 これらの財源といたしましては、星田北エリアをはじめとするまちづくりの進捗に伴う市税の増加、国庫補助金、目的に見合った基金等を活用して参ります。また、令和6年度以降は、令和5年度に第三セクター等改革推進債の償還年約1億5000万円が終了いたしますので、第一中学校区における学校整備事業に充当する予定です。

 

 以上、中・長期的な財政見通しのもと、歳入・歳出のバランスを考慮し、交野市の魅力を高め、まちを持続的に成長させるための配分となるよう編成いたしました。

 

4.令和5年度の主要な取組み

 続きまして、令和5年度からスタートいたします第5次総合計画基本構想及び第1期基本計画に基づき、令和5年度の主要な取組を説明いたします。
 総合計画基本構想は、長期的なまちづくりの指針であり、令和3年度から2年に渡り、交野市民の皆様を始め幅広い方々の意見を踏まえ作成を進めてきたものであり、先の12月議会において議決を賜ったものでございます。

 

 基本構想の中には、交野市民の皆様のまちづくりへの思いが、5つの「まちづくりの目標」として掲げられております。第1期基本計画において、この目標に向けて行政が取組むべき考え方がまとめられていることから、この施策体系に基づき、私が公約で掲げた取組も含め、その代表的なものを説明いたします。

 

■みんなで子どもを育み、子どもがのびのびと学ぶまち

(子育て、幼児教育・保育)
 まず、子ども子育てに係る施策につきましては、「子ども・子育て支援事業計画」に基づき取組みを進めておりますが、令和6年度末に計画期間が満了することから、子ども基本法の施行や国のこども家庭庁設置等の動向も踏まえ、次期計画の策定に向け、市民アンケートや実態調査の実施等の取組を進めて参ります。
 妊婦・子育て家庭への支援につきましては、身近で相談に応じ、出産・育児等の見通しを立てるための面談等を行う伴走型相談支援と、妊娠時及び出産後に合計10万円分の出産・子育て応援ギフトを支給する経済的支援とを一体的に行う「おりひめ出産・子育て応援事業」を実施して参ります。

 

 放課後の子どもたちの居場所である放課後児童会につきましては、指導員の処遇改善や主任制度の導入を優先的に進めるとともに、利用者の利便性の向上を図るため、ICTの活用や施設等の改善に係る環境整備に努めて参ります。

 

 幼児教育・保育につきましては、民間保育施設の整備への補助や、全市的な幼児教育・保育の質の向上を図るため、民間保育施設への病児保育や看護師配置に対する補助等や、公立2園の認定こども園において体調不良児対応型病児保育を開始し、安全・安心な保育環境の確保を図って参ります。

 

(学校教育、教育環境)
 今日の教育を取巻く環境は複雑化しており、多岐に渡る課題解決を図るために、より多くの意見を取入れ、幅広くその意見を反映させることを目的として、令和5年度からは教育委員の数を6名に増員いたします。
 教育委員の増員を機に、教育委員会の一層の活性化を図るため、視察や研修など教育委員会活動を充実させて参ります。

 

 学校教育につきましては、「確かな学び」が実感できる教育の推進として、育てたい資質能力の視点から9年間を見通した指導の一貫性や系統性を図り、中学校教員による小学校専科指導(教科担任制)を取入れるなど、引続き小中一貫教育を推進いたします。
 地域とともにある学校づくりにつきましては、第一中学校区のコミュニティ・スクールの運営に係る取組みについて、地域学校協働活動と連携を図り、一層の充実を図るとともに、他中学校区においてもコミュニティ・スクールの理解促進を図って参ります。

 

 学校施設の整備につきましては、第一中学校区のみならず、全市的に児童生徒の安全・安心の確保、また良好な学びの環境を確保していくことが重要と考えますことから、各学校におけるトイレの環境改善に優先的に取組むとともに、コロナ禍におけるウイルス蔓延防止目的で実施していた清掃委託についても継続して実施して参ります。
 また、第三中学校区において進められようとしている小中一貫校については、転入超過が継続している等の人口動態に加え、土砂災害警戒区域内に校舎が含まれる妙見坂小学校の状態が今後も15年から20年間継続することを意味することから、看過し難い状態であり、改めて検討し直すよう指示した次第でございます。

 

 教育環境の充実につきましては、公約に掲げております段階的な給食費の無償化に着手いたします。令和5年度当初より、受験等で特に家計に負担がかかる中学校3年生の給食費を無償化することで、保護者を支援して参ります。後述にはなりますが、恒久的な財源をお示しし、令和5年度中には、中学校全学年での給食無償化を決定したいと考えます。とりわけ、中学校給食は、北河内7市でも2市が未だ選択制であり、選択制の市での中学校給食無償化は困難です。中学校給食無償化は、他市との差別化につながり、極めてインパクトのある施策であると考えます。
 通学路の安全対策につきましては、現在交野みらい小学校において通学路の危険個所に配置している交通誘導員について、旧交野小学校の多くの児童が岩船小学校に通学している現状を踏まえ、岩船小学校側にも交通誘導員を配置します。また、その他の小学校においても公平性の観点から配置を進めることで、児童の登下校時の安全確保を進めて参りますし、後述にはなりますが、恒久的な財源をお示しし、さらに、その対象の拡大を目指します。

 

■みんなが互いを認め支え合い、笑顔と元気があふれるまち

(地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉)
 次に、地域福祉につきましては、社会福祉法の改正に伴い創設された「重層的支援体制整備事業」について、既存の取組を活かしつつ、身近な相談支援体制や多機関協働、アウトリーチ等を通じた継続的支援の体制を整備して実施することにより、複合・複雑化した課題や狭間のニーズへの対応・支援を行い、地域共生社会の実現を目指して参ります。
 地域におけるセーフティーネットにつきましては、おりひめ支え愛プロジェクトによる見守り・支え合い活動に地域と協働して取り組むとともに、災害対策基本法の改正に伴う個別避難計画の作成についても地域や福祉専門職と協働して取組んで参ります。また、長引くコロナ禍による生活状況の変化も踏まえ、生活困窮者自立支援制度の適切な運用を図ります。

 

 障がい福祉につきましては、福祉人材確保のための補助制度を創設するとともに、交野市に不足している重症心身障がい児支援事業所の開設促進のための補助制度を創設することにより、サービス提供体制を整備いたします。
 また、個々の医療的ケアを必要とする医療的ケア児等に対して、地域において必要な支援を受けながら、安心して生活し続けることができるよう、医療的ケア児等コーディネーターを配置いたします。
 障がい児者の社会参加の促進を目的として、民間事業者にも合理的配慮の提供を義務化されることから、その促進を図るために、スロープ設置などの設備改修や点字メニューなどの備品購入に対する補助制度を創設いたします。

 

 高齢者福祉につきましては、介護保険制度の将来にわたる持続可能性を確保するため、介護人材確保のための補助制度を創設いたします。
 また、加齢性難聴への対応として補聴器等購入費の一部助成制度を創設するとともに、効果的な介護予防事業を推進いたします。

 

(健康・医療)
 次に、健康づくりにつきましては、がん検診や特定健診等の市民健(検)診について、自己負担金のワンコイン・無償化により交野市民の皆様の負担を軽減するとともに、適切な広報・勧奨により受診率の向上に取り組み、疾病の早期発見・早期治療を図って参ります。そして、必要な費用については、後述にはなりますが、恒久的な財源をお示しいたします。
 国民健康保険につきましては、被保険者の高齢化やコロナ禍による受診控えからの反動で、医療費が増加し、保険料の大幅な上昇が予想されますことから、財政調整基金を投入し、保険料率の現状維持に努めて参ります。また、がんの早期発見・早期治療のため、市民検診(がん検診)の無償化を実施し、健康寿命の延伸及び健康保持の増進を図って参ります。

 

 感染症対策でございますが、まず、新型コロナウイルス感染症については、国において感染症法上の位置づけを変えるなどの方針が示されましたことから、今後も国や府と連携し、迅速・適切な感染防止対策を講じるとともに、感染状況に応じた交野市民の皆様への啓発やSNSを活用した情報発信に努めて参ります。
 また、新たな取組みといたしまして、白血病等の治療法の一つである骨髄等の移植を促進するため、骨髄等を提供される方に、提供時の入院等に伴う経済的負担を軽減するための助成制度を創設いたします。

 

(生涯学習、人権・多文化共生)
 次に、生涯学習につきましては、社会教育施設の老朽化対策として、私部公園内に設置する照明灯についてLED化の促進を図り、環境負荷の低減と施設利用者の利便性の向上を目指して参ります。
 人権施策につきましては、基本的人権が守られ、交野市民の皆様一人ひとりが人間として尊ばれるまちを目指して、新たに「人権施策推進基本方針」を策定します。
 また、国際関係の緊張が続く中でございますが、NPO法人交野市国際交流協会とともに姉妹都市カナダ・コリングウッド市を訪問し、これまでから続く交流をさらに深めることにより、多文化共生に向けての機運醸成を図って参ります。

 

■みんなが助け合い、安心して住み続けられるまち

(防災・減災)
 次に、防災・減災につきましては、国の避難情報改定や、土砂災害・浸水エリアの更新などの、最新の防災情報を盛り込んだ「総合防災マップ」の改定を行い、また、生駒断層帯も明示して全戸配布することにより、交野市民の皆様一人ひとりの防災力の向上を図って参ります。また、「地域防災計画」の改定を行い、最新の法改正や、防災対策についての新たなニーズを反映させて参ります。
 また、引き続き各集会所や公民館など地域施設の耐震化や改修工事を行うための支援に取組んで参ります。また、妙見東地区から要望を頂戴しております、自治会館の耐震工事については、交野市として、必要な支援を実施する予定でございます。
 指定避難所等におきましては、災害時の停電の際にも利用可能な可搬型蓄電池に加え、新たにLPガス方式の発電機の導入を進めて参ります。また、防災行政無線が聞こえにくい地域やSNSによる防災情報受信が困難な方のため、ご家庭の固定電話やFAXに避難情報を通知するサービスに取り組むとともに、まちづくりが進む星田北エリア地区においては、防災行政無線の子機設備を新たに設置し、防災情報の迅速な周知に努めて参ります。

 

 ハード対策といたしましては、激甚化する自然災害に対して、被害を最小限に抑えるため、準用河川の構造物の補修を実施するとともに、河川管理施設等の維持管理に努めて参ります。また、星田エリアで進めております地域と協働による課題解決に向けた取組みにつきましては、急傾斜地対策工事を含めた事業実施にあたり大阪府との協議及び関係部局等と調整を行うとともに、事業者の募集・公募要領を作成し、事業者の選定を行い事業実現に向け取組んで参ります。

 

(消防・救急、暮らしの安全・安心、コミュニティ・市民活動)
 次に、消防・救急につきましては、消防指令業務の共同運用や隣接市との総合訓練を実施しながら、消防の広域化を含めた相互応援体制の検討を重ねるとともに、郡津消防分団の消防ポンプ自動車の新規更新を行うなど、消防力の充実強化を図って参ります。
 暮らしの安全・安心を確保するための取組につきましては、現在106台設置されている防犯カメラについて、本年3月に124台に増設し、警察や教育委員会などと連携・協議の上、144台まで増設を実施いたします。
 また、地域の防犯灯に係る費用の補助制度につきましては、補助率の大幅な拡大を行い、地域の負担の軽減や自治会非加入者との負担の公平化を図って参ります。そして、必要な費用については、後述にはなりますが、恒久的な財源をお示しいたします。
 星田地域から消防団車庫の移転の要望を受けていることから、市有地の活用を含め、また、緊急防災減債対策事業債の活用を前提とした備蓄倉庫機能も含めた検討を進めて参ります。また、交番移転の要望を頂戴もしており、交野市として、移転候補地の確保までは想定していたものの、大阪府警から、今後20年間の移転は困難であるとの回答を頂戴しております。しかしながら、地域の要望もあり、断念するわけには参りませんので、交野市として、より、踏込んだ対応ができないか検討して参ります。

 

■みんながつどい交流し、活力が生まれるまち

(都市環境・住環境)
 次に、都市環境・住環境につきましては、現在、交野市内では、土地区画整理事業が完了に向かいつつある星田北エリアをはじめ、各所で計画的な住宅開発が進められており、交野市としましても、引続き良好なまちづくりに取組んで参ります。
 寺・向井田地区まちづくりにつきましては、令和4年度に検討組織が立ち上がり、まちづくり基礎調査を実施したところでございます。過去に新駅設置の動きがあったことを踏まえて、令和5年度より、まちづくり事業の成立性の検討を行うための調査等を実施して参ります。
 そのため、その機運醸成もあり、先日、寺・向井田地区まちづくり検討会の皆様とともに、京都府亀岡市に、亀岡駅北側駅前に京都サンガFCのホームスタジアム誘致を成功させた土地区画整理事業の視察に行って参りました。

 前述いたしましたとおり、東西線との接続やおおさか東線の乗入といったJR学研都市線の利便性の向上や第二京阪道路の開通、新名神との接続、今後の淀川左岸線や淀川左岸線延伸部との直結により、北河内は、JR学研都市線と第二京阪道路とで挟まれたエリアで新たな賑わいが形成されると考えます。
 交野市は第二京阪道路が市域の中心を通り、そして、学研都市線の快速停車駅が2つもあります。そして、交野市の活気も、第二京阪道路とJR学研都市線とで挟まれたエリアに広がっていくと考えます。そうした中、JR学研都市線に交野市内3つ目の駅を誘致することは、交野市の成長戦略に欠かせないことと考えます。

 また、民間施行ではありますが、森北2丁目におきましては、昨年度、地区計画が決定され、今後の開発により、敷地面積の広い、良好な住宅が交野市の負担なく提供されます。岩船小学校区の児童数の減少が進む中、その課題解決につながり、また、交野市への転入増につながるなど、非常によい事例であり、今後も交野市として、他の地域でも、地区計画の提案に基づくまちづくりが行われることは望ましいことと考えます。
 住宅流通施策につきましては、空き家対策と移住・定住促進の両面を目的として「住宅取得流通促進支援事業補助金」に取組んでおりますが、令和4年度の実績を踏まえ、非常に効果がある取組みであることから、令和5年度につきましては、改めて本制度の目的に沿った交付ターゲットの明確化を図るとともに、申請対象期間を見直すことで、年度末における手続きの不便さを解消し、利便性の向上を図って参ります。

 

(産業振興・労働、観光・魅力発信、都市農業、道路・公共交通、公園・緑地)
 次に、産業振興につきましては、経済団体等と連携し、交野市の地域資源を有効活用しながら地域社会の発展と地域経済の活性化を目指して、「第二次産業振興基本計画」の策定作業を進めて参ります。
 農業振興につきましては、令和2年度より実施している「人・農地プラン」が法定化され、令和5年度より「地域計画」を定めることが国において決定されたことから、引き続き、プラン作成が可能な地区において推進に取り組んで参りますが、プラン作成を望んでいない地区にまでその作成を求めるものではございません。

 

 道路事業につきましては、橋梁や道路などの道路管理施設を適切に維持管理するため、主要な路線の路面性状調査や、橋梁長寿命化修繕計画の更新を行うなど、安全・安心に移動できる環境確保に取組んで参ります。
 公園・緑地事業につきましては、倉治公園におきまして、長年の課題であった防球ネットを高規格化し、飛球対策を図ることにより、交野市民の皆様が安心して利用してもらえる施設として環境改善と利用促進に取組み、実質的に野球場が交野市に1つしかない状況の改善を目指します。
 免除川緑道の照明灯のLED化につきましては、交野市民の皆様がより早期に安全に利用できるよう、令和6年度までの3年間で実施する当初計画を前倒しし、令和5年度に完了するよう取組んで参ります。
 天野川緑地については、唯一トイレの水洗化を実施できていなかった藤が尾のトイレについて、水洗化を実施し、近傍の四阿を再建築いたします。
 星田山手南公園について、イノシシの被害への対策として、獣害対策の工事を実施いたします。
 天野が原町1丁目の草川の緑道について、経年劣化していることから、修繕工事を実施いたします。
 幾野にございます今池埋立地の一部については、今後の公園整備に向けた設計業務を実施いたします。
 私市2丁目の川辺ちびっこ広場については、フェンス未設置個所への設置工事を実施いたします。

 

(上水道・下水道)
 次に、水道事業に係る施設の更新、耐震化につきましては、浄水場やポンプ場といった主要施設は既に耐震化が完了していることから、今後は水道管の更新に取組んで参ります。
 中でも、重要な基幹管路につきまして、まずは市内の約3分の2の水道水を担っている「低区配水池」までの送水管から更新を進めて参ります。また、工事にあたりましては、道路交通など交野市民の皆様の生活への影響を低減させるため、地下でのミニシールド工法を採用し、取組んで参ります。

 

 下水道事業にかかる下水道施設の維持管理につきましては、ストックマネジメント計画に基づいた点検・調査を実施し、予防保全に向けた改築・更新を推進するとともに、未整備地域の解消に向けた整備も実施して参ります。また、資金調達は短期金利をベースに調達することによる金利負担の圧縮を実施し、乙辺浄化センターの更新時には、下水道放流で年約5000万円の財政効果の実現を目指します。

 

■みんなで自然や文化を慈しみ、次世代に引き継いでいくまち

(脱炭素・循環型社会、自然共生・生活環境、歴史・文化財)
 次に、環境施策につきましては、ZOZOタウン創業者の前澤様が総額5億円の再生可能エネルギーをテーマとするふるさと納税の提案を募集していましたことから、交野市長として、公共施設への太陽光パネル設置で提案いたしましたところ、500万円の寄付を頂戴いたしました。
 つきましては、寄付の趣旨に則り、全額使い切るよう入札を工夫して、公共施設における太陽光パネルの設置を進めて参ります。
 併せて、いきいきランドに係る設備の老朽化対策を進めるにあたり、設備機器更新による省エネルギー化を図るため、ESCO事業を活用した取組を進めて参ります。
 文化財行政につきましては、昨年12月に国の認定を受けました文化財保存活用地域計画に基づき、地域や各種団体等と連携を図りながら、地域に点在する交野市の歴史文化の活用及び保全の取組みを進めて参ります。

 

■行政の経営方針

(効率的・効果的な行政運営)
 続きまして、これまで示して参りました取組を進めていくための経営方針について、とりわけ財政効果に向けた考え方と、市役所の組織運営に係る考え方についてご説明いたします。

 

 令和5年度の各種新規施策については、先の12月議会において、土地開発公社の買戻しに伴う起債の借換を行わず、公債費管理基金を活用して一括償還した結果、当該土地の売却価格と将来の支払利息相当分で6千万円を超える財政効果を単年度ではありますが、あげることができましたので、その分を充当いたします。

 

 しかしながら、先般、交野市議会議員の皆様から給食無償化の要望書を頂戴しており、そのキーワードは、私は、「恒久的な財源」であると考えます。この間、恒久的な財政効果の実現に向けて検討しましたので、説明いたします。

 

 日本国債のデュレーション(残存年数)毎の金利を表す曲線であるイールドカーブがスティープ化、すなわち、急になっております。つまり、平成28年9月21日から日本銀行が当座預金の政策金利残高の金利を0%から-0.1%に変更し、今も短期金利はマイナス金利です。
 一方で、令和4年12月20日から日本銀行が日本国債のイールドカーブコントロールのうち、10年国債の変動幅を±0.25%⇒±0.5%に緩和し、10年国債の金利は0.5%程度であり、それよりも残存年数の長い超長期国債ともなると金利が1.4%を超えるものもあります。
 一方で、10年地方債は、イールドカーブコントロールの枠外のため、0.8%にまで上昇しており、市場金利が歪んでおります。
 我が国の潜在成長率は2000年以降1.0%以下であり、期待インフレ率も低いことから、今後の金利上昇はあったとしても限定的です。そのため、資金調達は短期金利をベースに実施し、資金運用は、超長期国債と長期地方債で実施すると、事実上、日本銀行の負担で、多額の財政効果を捻出できます。
 具体的に申しますと、令和5年度の市債発行のうち臨時財政対策債を除く約34億円の借入を長期・約1%の借入ではなく、資金調達は短期金利をベースに調達することにより、約0.3%まで金利を圧縮でき、初年度でも約2380万円の財政効果が期待でき、次年度以降も同様の取組を実施すれば、当面の間は財政効果を拡大でき、当面の間は拡大した財政効果を続けることが可能です。また、この方法は、水道事業会計や下水道事業会計にも適用できます。

 

 そして、水道事業会計や下水道事業会計を含みませんが、交野市の基金合計は令和4年3月末で約92億円でございます。現在、一般会計の一時借入や繰越運用で、一時的に最大約25億円を利用しておりますが、残額については、年0.02%の定期預金等で運用しております。
 「交野市資金の管理、保管及び運用方針」では、日本国債について、購入後10年以内に償還としておりますが、こちらを改正し、超長期国債や長期地方債を購入することで、年7000万円+年2000万円の財政効果を目指します。
 また、交野市議会にてご指摘を頂戴している財政調整基金の大規模な取崩しへの懸念についてもそもそも取崩す必要がなくなります。なぜならば、各種基金はそのままで、一括運用するからです。
 さらには、今後、一時的に必要となる資金は、レポ取引や現先取引といった高度な金融手法を駆使して逆に収益性を高めつつ、資金を確保いたします。

 

 続きまして、市街化調整区域で一定市街地形成されたエリアについては、今後の道路や公園等の公共施設に多額の維持管理費がかかるにもかかわらず、税率0.3%の都市計画税の課税がなされておりません。
 大阪維新の会様からも過去の一般質問でご指摘も受けており、市街化区域との税の公平性の観点もございますので、令和6年度からの課税にむけて、令和5年度中に様々進めて参ります。そして、目的税ではありますが、今後も市街地形成されるエリアも含めて年約4000万円の財政効果を目指します。
 あわせて、給食センター民営化の財政効果額の残額が年約2000万円、駐輪場指定管理者の公募の結果による財政効果額が年約1600万円、個別事業への充当をしていないことが判明しました。

 

 これらの数字をまとめますと、令和6年度、資金調達は短期金利をベースに調達することで年約2380万円の財政効果の倍の年約4760万円、超長期国債の購入で年約7000万円の財政効果、長期地方債の購入で年約2000万円の財政効果、都市計画税の課税で年約4000万円の財政効果、給食センター民営化で年約2000万円の財政効果、駐輪場指定管理者公募で年約1600万円の財政効果、合計年約2億1360万円の財政効果の確保を目指します。
 そして、超長期国債や長期地方債の償還時には、土地開発公社の負の遺産や四交クリーンセンターの建設に係る起債償還もおおよそ終了していることから、令和5年度に実施をした施策を恒久化するだけでなく、恒久的な小学校中学校給食無償化、水道事業会計健全化にかかる費用の確保、外出支援策のさらなる拡充、も可能になると考えます。
 これからは財政が厳しい、お金がないというのではなく、知恵を絞って財政効果を確保する市政運営に転換して参ります。

 

 次に、交野市役所の組織運営に係る考え方でございますが、地域課題や行政需要が増加・多様化する中、限られた職員数で対応するためには、交野市の組織機構をできるだけ統合し、関連する業務や専門人材を集約するとともに、業務の繁閑に柔軟に対応できる体制を整えていく必要があると考えます。
 この考えのもと、この4月からは「財産管理室」を強化し、一部に分散していた市有財産活用等についても取組を集約するとともに、喫緊の課題である交野市役所の耐震工事の実施についても取組の実効性を高めて参ります。そして、企画財政部におきましては、秘書課と政策企画課とを統合し、秘書政策課といたします。

 

 今後につきましては、都市整備部農政課については、農業振興機能、農業委員会機能、農業土木機能、に機能分離し、総務部地域振興課、行政委員会事務局、都市整備部道路河川課、に集約することを検討します。
 企画財政部と総務部とで組織統合し、組織統合した新たな部と選挙等により繁閑のある行政委員会事務局との間で、職員が柔軟に対応できる体制の構築を検討します。
 また、交野市役所の耐震工事の実施のためのスペース確保の目的もあり、水道局や都市整備部下水道課といった別会計ではあるものの、公営企業の組織統合についても検討を進めます。

 また、市民部への困難な債権回収業務の一元化や企画財政部情報政策課(新年度から情報マーケティング課)への情報システム業務の一元化や独立した室への格上げについて検討を進めます。
 また、情報マーケティング課については、ふるさと納税やシティープロモーションの観点から、任期付職員での人材の公募の実施についてさらに検討を進めます。

 

 そして、業務の効率化を進めるべく、令和5年2月20日からは交野市役所本庁1階と2階の公用車9台の管理を、試行的に一元管理にしました。縦割行政の弊害をなくすことで、公用車の台数を削減し、聖域を設けるつもりはございませんので、市長公用車から売却いたします。
 各種証明書のコンビニ交付については、現在、窓口と同一料金ですが、議会から指摘を受けているマイナンバーカードを取得された方へのインセンティブや繁忙な窓口業務の負担軽減を目的として、コンビニ交付の手数料見直しの検討を開始しました。

 

 また、現在、交野市の職員数は517人でございますが、課や係にまで落とし込んだ人員査定を企画財政部秘書政策課が実施いたします。なぜならば、今後、公共施設やインフラ施設の老朽化対策をはじめ、子育て部門等においても行政需要の増加が見込まれているからです。
 一方で、40歳代半ばから50歳代半ばまでの職員数が多く、今後の退職等に備えまして、段階的に若手や極端に職員数の少ない年代についての職員数の増員を行うことが必要です。
 そのため、「職員定員管理計画」の見直しに着手いたしますとともに、業務の繁閑を考慮した年度途中での人事異動も実施して参ります。

 

5.予算編成

 以上の方針により編成いたしました令和5年度の各会計の当初予算は、

一般会計            306億6,363万1千円
国民健康保険特別会計      79億6,372万6千円
介護保険特別会計        65億  360万円
公共用地先行取得事業特別会計    2億5,133万3千円
後期高齢者医療特別会計     16億2,112万7千円
水道事業会計          28億  922万円
下水道事業会計         23億1,036万5千円

総 額             521億2,300万2千円

でございます。

 

6.おわりに

 令和5年2月20日、大阪府警察本部が公表いたしました犯罪統計の確定値によりますと、人口あたり犯罪発生率が全国で最も高い大阪府で、令和4年に大阪府下33市で犯罪発生率最小を記録したことから、令和5年2月20日に交野市民の皆様一人ひとりの防犯に対する意識を高め、より犯罪のない安全・安心なまちの実現をめざし、「生活安全都市宣言」を行いました。
 安全・安心は交野市の財産であり、今後の交野市への移住・定住を促進するための絶好のシティープロモーションのトピックになると考えます。それにあわせて、大阪維新の会様からのご指摘を受けていた、仮ナンバー、いわゆる神ナンバーとも言われますが、そちらの回収のための毅然たる措置を進め、全て回収をいたしましたところ、本日の産経新聞の朝刊に写真付きで掲載されました。

 

 令和4年、交野市は、205人の転入超過でありましたが、出生と死亡を加味したトータルの人口動態は、残念ながら微減でした。令和5年度は、より積極的なまちづくりの実施を含め、より、転入超過を増やし、交野市の人口増加に繋げて参りますとともに、全ての世代が安心して生活していくことができる安全で快適なまちを目指して参ります。

 

 以上をもって、新年度の予算並びに市政運営についての説明といたしまして、議会の皆様、交野市民の皆様のご理解・ご協力を賜わりますよう心よりお願い申し上げます。

この記事に関するお問い合わせ

秘書政策課 政策企画担当
TEL:072-892-0121

PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Acrobat Readerダウンロード