公開日 2025年02月25日
山本景市長は、令和7年2月21日、令和7年第1回議会定例会で、令和7年度の施政方針を表明しました。
施政方針は次のとおりです。
目次
0.はじめに
1.交野市を取り巻く状況
(1)コミュニティーバス
(2)北陸新幹線
(3)大阪・関西万博
(4)人口動態
2.みんなでつくるみんなの交野
(1)防災対策
(2)物価高騰対策
(3)学校の跡地利用と公共施設の改修
(4)財政健全化
(5)子育て支援
3.重点施策の状況
(1)交野市役所耐震化
(2)水道
4.令和7年度の主要な取組
(1)みんなで子どもを育み、子どもがのびのびと学ぶまち
(2)みんなが互いを認め支え合い、笑顔と元気があふれるまち
(3)みんなが助け合い、安心して住み続けられるまち
(4)みんながつどい交流し、活力が生まれるまち
(5)みんなで自然や文化を慈しみ、次世代に引き継いでいくまち
5.予算編成
6.おわりに
(1)斬新な取組
(2)組織運営
はじめに
令和7年第1回議会定例会にて、予算をはじめとする諸議案をご審議賜ります。そのため、新年度における市政の運営方針と予算の概要を申し上げます。また、交野市議会議員並びに7万7000交野市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
1.交野市を取り巻く状況
(1)コミュニティーバス
交野市は、過去にゆうゆうバスを廃止しましたが、当時、京阪バス株式会社はゆうゆうバスについて、その今後について執拗に問い質し、バス路線を廃止・減便していました。その京阪バス株式会社から、昨年8月に、運転手不足等を理由に「令和7年3月末での交野市内完結路線の路線廃止をする通知」を受けました。京阪バス株式会社に、強く撤回や再考を求めましたが、拒否されました。なお、運転手不足等のはずが、京阪バス株式会社は、令和7年4月13日から京阪中之島駅・大阪駅南⇔万博会場シャトルバスを始めるとホームページに掲載しました。
路線廃止に対し、私は、意地でも切れ目なく交野市民の皆様の移動手段を確保する決意を固めました。しかしながら、京阪バス株式会社の廃止路線のうち、主に私市・星田7地区を通る南部路線には、ピーク時に1時間あたり約60人乗車の路線が含まれていました。そのため、大型の第2種免許保有の運転手を確保し、中型バスを運行することを目指しましたが、断念せざるを得ませんでした。なぜならば、大阪・関西万博のシャトルバス運行のための運転手確保や子ども無料招待事業による延べ約5000台にも上るバスの運転手確保等が行われていたからです。だからといって、私が、切れ目ない移動手段の確保を断念するわけには参りません。そのため、地域公共交通会議にて、京阪バス株式会社の廃止路線エリアでの自家用有償旅客運送を認めてもらいました。このことにより、安全上の講習等を受講した第1種免許保有の運転手による運行を可能とし、運転手確保に目途をつけました。
京阪バス株式会社の南部路線は、一般旅客自動車運送事業者である大新東株式会社に運行を委託します。また、運賃200円のコミュニティーバス「おりひめバス南部4ルート」とするとともに、うち1ルートをJR河内磐船駅経由とすることで利便性を高めます。
京阪バス株式会社の廃止する残余の路線、私部・倉治・青山・向井田地区を通る路線は、京都京阪バス株式会社に運行を委託している森南・寺・神宮寺・東倉治地区を通る巡回バスの路線を延伸して大部分をカバーします。森南・寺・神宮寺・東倉治地区を通る路線を無料から運賃200円のコミュニティーバス「おりひめバス東部ルート」とします。また、私部・倉治・青山・向井田地区を通る路線を運賃200円のコミュニティーバス「おりひめバス中部ルート」とします。
梅が枝・松塚・郡津・幾野を通る既存の「おりひめバス」は、現在、地域公共交通の実証運行中です。利用状況、アンケート結果、京阪バス株式会社の路線廃止等を踏まえ、運賃300円から運賃200円の「おりひめバス北部ルート」とします。京阪バス株式会社の廃止する私部・倉治・青山・向井田地区を通る路線の一部をカバーしつつ、河内磐船駅まで延伸します。
令和7年度、より「便利な交野コミュニティーバス」を目指してさらに良くなるように取り組みます。
(2)北陸新幹線
平成29年3月、北陸新幹線の敦賀駅から新大阪駅までのルートが小浜ルートに決定されました。
令和元年11月、整備事業の主体である鉄道・運輸機構が環境影響評価方法書を公表しました。しかしながら、そのルートに交野市の大部分が含まれておりました。また、交野市の地下にトンネルを整備する方針であることが判明いたしました。交野市は、北陸新幹線が通過することを望んだわけではございません。交野市の水道水源の約8割が地下水であり、17本ある深井戸の枯渇等の影響が懸念されます。7万7000交野市民は、地下水がなければ生活できません。折しも岐阜県内において、リニア中央新幹線トンネル工事に伴う地下水位の低下が報道されました。そのため、鉄道・運輸機構に対し、北陸新幹線が交野市の地下水に与える影響を調査するよう申入れを継続して参りました。
先般、鉄道・運輸機構側は、遅ればせながら、京都市内同様、交野市内で事業推進調査における地下水影響調査を実施したいとの方針を提示しました。そのため、現在、地下水影響調査を進める方向で協議しております。しかしながら、そもそも、交野市が北陸新幹線を通してほしいと望んだ訳でもなく、7万7000交野市民の生活がかかっている以上、交野市に譲歩はありえません。交野市の地下水が守られる確たるものがない限り、交野市民の皆様は、納得しないと考えます。
また、地下水に影響が生じた場合にも備え、交野市独自の対策に着手します。令和7年度、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債を活用した2台の多目的支援車(給水車)の配備や、井戸を把握するための届出制度を導入します。
(3)大阪・関西万博
子ども無料招待事業で、不参加の学校に被害が生じないよう、私の責任で「学校単位で行かなくても良い」と表明いたしました。なぜならば、無料招待事業では、「希望しない」の選択肢を削除したパワハラ紛いの意向調査が実施されたからです。また、無料招待とは名ばかりで、バス代なら1人約5000円もの入場券よりも高い交通費等を市町村や保護者に押し付けました。そのことは、「他の地方公共団体の財政に累を及ぼすような施策を行つてはならない」とする地方財政法第2条に抵触すると考えます。
大阪・関西万博は、命輝く未来社会のデザインをテーマとしております。趣旨には賛同しますが、海外パビリオンのほとんどは半年間の期間終了後、再利用されることなく廃棄されます。そのことは、未来社会のありように明確に反するものと考えます。そうした中、交野市は、ルクセンブルク大公国のパビリオンを再利用すべく、既に趣意書を交わしています。そして、第一中学校跡地で、現在青年の家にある地域子育て支援センターの機能を有した施設等としての利用を検討しています。また、クサヴィエ・ベッテルルクセンブルク大公国副首相の意向にも沿うものと考えます。そして、交野市の取組こそが、大阪・関西万博のテーマの趣旨に最も合致するものと確信しております。なお、交野市は、現時点で大阪・関西万博の海外パビリオン再利用を計画している全国唯一の自治体です。
また、交通費等を市町村や保護者に押し付ける大阪府とは異なり、内閣府が全額費用を負担するエチオピアとの国際交流事業を実施しております。令和6年度、私市小学校児童や藤が尾小学校児童との交流、小中学校給食でのエチオピア料理の提供、国際交流コンサートを実施しました。令和7年度も同様のスキームで国際交流事業を実施すべく、調整を進めて参ります。
(4)人口動態
令和6年度までの施政方針で、交野市の人口動態を説明する際、総務省発表の住民基本台帳人口移動報告の市町村別データを利用して参りました。しかしながら、令和6年分からその公表が1月から4月に先延ばしされました。そのため、令和7年度の施政方針で、交野市の人口動態を説明する際、令和4年から令和6年の住民基本台帳を利用いたします。
令和4年は237人の転入超過、令和5年は285人の転入超過、令和6年は260人の転入超過、でした。一方で、令和6年は、出生数485人、死亡数853人、自然減368人、人口減108人でした。
しかしながら、直近10年間の人口推移で、平成28年1月1日に対する令和7年1月1日の人口のパーセンテージは98.9%でした。守口市97.5%、枚方市96.6%、四條畷市95.4%、寝屋川市93.8%、大東市93.8%、門真市92.6%と比較すると北河内7市の中で最も低い人口減少率でした。
全国的な少子高齢化や人口減少の中でも、交野市は比較的踏みとどまっている状況です。しかしながら、これまでよりも他市に住む子育て世代から選ばれ続けなければならないと考えます。
2.みんなでつくるみんなの交野
私は、交野市長選挙において、「みんなでつくるみんなの交野」を掲げて参りました。そのため、市民と直接意見交換できる場を作り、その声を市政に反映して参りました。
令和5年度より開始しました「市長とのタウンミーティング」で、令和6年度19の地区及び4つの市民グループとの意見交換を実施しました。また、私の公約にかかわる令和6年9月2日スタートの「おりひめバス」の市民説明会を開催しました。また、今週末より、令和7年3月23日からの京阪バス株式会社の路線廃止を受けた新たな「おりひめバス」の市民説明会を順次開催予定です。
これらの場をつうじて、市民の皆様に私の考えをお伝えし、直接ご意見を伺って参りました。今後も、市民の皆様の貴重なご意見を市政に活かすため、同様の取組を継続します。
ただし、7万7000交野市民全員から直接意見を聞くことは困難です。そのため、就任1年に続き、就任2年が経過した昨年末、私が独自に自動音声による電話世論調査を実施しました。調査結果によると、71%を超える交野市民の皆様が現市長を高く評価するないしはどちらかといえば評価すると回答しました。その割合は、前市長時代の2倍を超えています。なお、どちらかといえば評価しないないしは全く評価しないは約24%でした。重要視する政策は、コミュニティーバスが約23%、防災対策が約14%、物価高騰対策が約11%、学校の跡地利用と公共施設の改修が約11%、財政健全化が約10%、子育て支援が約7%でした。一方で、交野市役所の耐震工事は約3%でした。
これらの意見を参考として、次年度は、コミュニティーバス、(1)防災対策、(2)物価高騰対策、(3)学校の跡地利用と公共施設の改修、(4)財政健全化、(5)子育て支援、に全力を挙げて参る所存であり、先ほど申し述べたコミュニティーバスを除いて順にその詳細を申し述べます。
(1)防災対策
令和7年の年初は、今のところ大きな災害もなく落ち着いた状況です。一方で、能登半島地震の被災地では、その後の豪雨被害も相まって、今も避難を余儀なくされ、不自由な生活を強いられている方々がいらっしゃいます。
交野市は、発災直後から、速やかに緊急消防援助隊として消防職員を派遣しました。また、私が所属する全国青年市長会のネットワークを活かし、被災自治体の市長と直接協議を進めました。大阪府下43市町村で最も早く被災地である富山県高岡市に給水車を派遣し、また、石川県金沢市内の支援物資集積拠点へ支援物資を搬送しました。石川県輪島市へ独自に実施したヒアリングを基に大阪府トラック協会北東支部の協力を得て、同支部に加入する市内事業者により、物資を搬送しました。その後も現地支援チームの一員として人員の派遣等を実施しました。そして今般、大阪府下43市町村で唯一交野市が保有しているトイレトラックを輪島市からの要請に基づき、復興の拠点となっている石川県輪島市立東陽中学校に派遣いたしました。今後も、交野市は、被災地の復旧復興に取り組んで参ります。いつ起きるか分からない大規模災害に、交野市がいつ被災する側になるかはわかりません。交野市が可能な限りの支援を行うことは、結果として交野市が被災した際に助けてもらえるものと私は確信しております。
令和6年度、各種寄付金の活用により、交野市の財政負担を圧縮しながら、大阪府下唯一のトイレトラック、2台のトイレカーを配備しました。また、全国自治体で2番目のAI循環式シャワートラックがもう間もなく配備されます。令和7年度、新しい地方経済生活環境創生交付金を活用し、全国自治体初のランドリートラックを配備します。
指定避難所へのエアコン設置を進めており、令和6年度、私市小学校、第二中学校、第三中学校、第四中学校の体育館にエアコンを設置しました。令和7年度、倉治小学校、妙見坂小学校、藤が尾小学校、旭小学校、の体育館にエアコンを設置します。また、指定避難所への防災井戸整備を進めており、令和7年度、福祉避難所であるゆうゆうセンターに従来よりも高性能な防災井戸を整備いたします。令和7年度、指定避難所である星の里いわふねにシャワーブースを設置すべく、その可能性調査をします。それらは、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債を活用します。
(2)物価高騰対策
物価について、総務省が令和7年1月24日に公表した昨年12月のCPI(Consumer Price Index 消費者物価指数)は、前年同月比3.6%上昇でした。生鮮食品を除くコアCPIで3.0%上昇、酒類を含み生鮮食品及びエネルギーを除くコアコアCPIで1.6%上昇でした。酒類を含み生鮮食品及びエネルギーを除くコアコアCPIでは、8か月にわたり、日本銀行の2%の「物価安定の目標」を下回る物価上昇率にまで物価は沈静化しております。一方で、厚生労働省が2月5日に毎月勤労統計調査で公表した令和6年の名目賃金にあたる現金給与総額は、4.8%増であり、実質賃金は増加に転じております。
WTI(West Texas Intermediate)の1バレル(約159リットル)あたりの原油価格は70ドル台が定着しています。100万BTU(British Thermal Unit=約25立米)あたりの天然ガス価格は、日本や欧州において10ドル台前半が定着し、アメリカに至っては5ドル台で推移しています。石炭価格は1トン100ドル~150ドル台で推移しています。日本銀行は政策金利を令和6年7月に0.25%に、令和7年1月に0.5%にする段階的な金融正常化を実施しています。一方で、アメリカFRBは政策金利を4.25~4.5%とする金融引締策を継続しています。結果、円ドルの為替相場は、おおよそ1ドル140円から160円のレンジで推移しています。
日本が最も多く輸入する穀物は飼料やコーンスターチ等で利用するトウモロコシであり、年約1600万トン輸入しています。そのトウモロコシ価格は、約45年前が1kg約30円で、現在も1kg約30円です。この45年間、1kg10円から40円で推移しております。
年約600万トンと次に多く輸入する小麦の価格で、1BU(ブッシェル・27.2kg)5~7ドル台で推移し、10ドル台であった平成20年よりも安いのが真実です。事実上の国家貿易である輸入小麦の政府売渡価格は、令和6年10月時点で1トン6万6100円(1kg66.1円)であり、平成20年の政府売渡価格1トン7万6030円よりも低下しております。
現所は、グリードインフレーションだと考えますが、為替相場の安定、エネルギー価格、穀物等のデフレ傾向を考慮いたしますと、沈静化し始めた物価高騰は、グリードフレーションが継続しない限り、令和7年度も沈静化を続けると考えます。
令和6年度分の水道料金値上げに対し、令和5年度に下水道基本料金2か月減免、令和6年度に下水道基本料金通算4か月減免を行いました。令和7年度分の水道料金に対し、令和6年度に下水道基本料金2か月減免を実施中であり、令和7年度には新たに下水道基本料金の4か月減免を実施します。
令和5年度から令和7年度にかけまして、約16%給食費が高騰しております。しかしながら、保護者に負担を求めず、交野市がふるさと納税や企業版ふるさと納税を活用します。加えて、現在小学校6年生から中学校3年生までの給食無償化を小学校5年生まで拡充します。
令和6年4月、大阪府は、大阪府内の国民健康保険料を極めて高い水準に統一しました。交野市は、これまで、大阪府市長会等で、大阪府の高すぎる国民健康保険料への統一に明確に反対して参りました。交野市民の皆様の負担が増えますが、交野市民の皆様に受益はなく、しかも国民健康保険料の徴収義務が交野市に残るからです。令和7年度も高すぎる国民保険料に反対の主張を続けます。また、物価高騰対策として、これまで大阪府下33市で最も安い介護保険料を令和7年度も継続します。
(3)学校の跡地利用と公共施設の改修
第一中学校の校舎の除却には多額の費用が必要です。しかし、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債を活用します。そのため、除却部分に消防団私部分団から要望のあった消防団私部分団も利用可能な防災倉庫や通常の防災倉庫、防災公園、避難所等を整備します。令和7年度、校舎の除却とそれら防災倉庫、防災公園、避難所等の設計を行います。令和7年度、運動場の北西側で、ルクセンブルク大公国のパビリオンを再利用し、現在青年の家にある地域子育て支援センターの機能を有した施設等としての整備を検討します。令和7年度、運動場の中央で、平面的なスポーツ施設の整備を検討し、寺作業所跡地活用での検討と比較し、今後の方向性を決定いたします。
みらい小学校の跡地利用で、令和7年度、教育総務部と教育指導部をみらい小学校南館に移転いたします。また、令和7年7月ごろから、いきいきランドのメインアリーナを利用できなくなることから、一時的に体育館を利用いたします。みらい小学校の北館や体育館の除却にも多額の費用が必要です。そのため、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債を活用します。地域の要望を踏まえ、除却部分に防災公園、避難所等の整備をするため、令和7年度、除却の設計を行います。
青年の家で、なんとか令和6年度中にエレベーター設置が完了します。ご迷惑をおかけしている交野市民の皆様にお詫び申し上げます。令和7年度、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債を活用します。武道館東側での防災公園の整備を当初予算で実施し、武道館へのエアコン設置、トイレ改修を補正予算措置で実施します。あわせて、青年の家本体のトイレ改修の設計を当初予算で実施して参ります。
いきいきランドでは、令和6年度、ESCO事業やプール改修工事を実施し、交野市民の皆様にご迷惑をおかけしております。令和7年度、メインアリーナの特定天井の耐震工事を実施しますので、7月ごろからメインアリーナが利用できなくなります。そのため、暫定対応として、みらい小学校跡地の体育館を一時的に利用します。また、いきいきランドグラウンドの照明の改修工事を実施します。
くらやま認定こども園の屋上防水工事と外壁改修工事等を実施し、保健福祉総合センターの屋上防水工事等を実施します。
公共施設の照明の老朽化対策として、LED化していない全公共施設の照明をLED化します。LED化に際し、地方交付税の基準財政需要額に32.85%が算入できる脱炭素化推進事業債を最大限活用します。なお、令和5年のスイスジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約」第5回締結国会議により、令和9年までに全ての一般照明用蛍光灯の製造と輸出入が禁止されます。
(4)財政健全化
私は、財政が厳しくてお金がないと言うのは単なる言い訳だと考えます。そのため、極力、事業でお金がかからないようにし、事業でお金がかかる部分は国の補助金や地方交付税の基準財政需要額への算入を最大化して参りました。残額についても、なんとか財源を確保して充当して参りました。令和7年度は、これまでの取組をさらに拡充して参ります。
①身を切る改革
市長自ら身を切る改革を実施し、市長の退職金不支給、交際費の利用停止、等を継続します。
②金利収入確保と金利圧縮
現在、約74億5000万円を債券で運用し、年約1億1000万円の金利収入を得ています。交野市の長期的な財政見通しを踏まえて決定した運用可能額の範囲で運用しています。
あわせて、資金調達は、短期金利をベースに実施します。令和6年度、総額約80億円の市債を発行しますが、うち約70億円は、長期・約2%の市債ではなく、短期・0.9%の市債にします。また、今年度、土地開発公社の土地の買戻しのための借入のうち、借入金利が高い借入だけ違約金を支払わずに前倒しで返済します。これらを組合せ、可能な限り、金利の圧縮を目指します。
③緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債による土地開発公社の負債の削減
土地開発公社保有残高のピークは、約368億円でした。そのため、これまで約20年にわたり、公社保有地を、交野市が一般財源や起債で買戻しました。令和5年度末、土地開発公社保有残高は約50.4億円です。また、土地開発公社の買戻しのための起債残高は約58.4億円でした。合計すると依然として約108.8億円にも上っております。また、一般財源で買戻した土地は売却できますが、起債で買戻した土地は、返済が終わるまで売却できません。さらに、土地を売却しても、買戻し額での売却は不可能です。また、売却困難な土地も多く含まれています。
そこで私が考えたことは、全国自治体初、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債での土地開発公社保有地買戻しです。令和6年度、星田会館南側、全現堂池東側の土地開発公社保有地を同事業債で買戻しました。さらに、令和7年度、郡津5丁目、星田6丁目、寺、私市山手の土地開発公社保有地を同事業債で買戻します。令和6年度と令和7年度で合計約30億円もの土地開発公社保有地を同事業債で買戻し、令和7年度までに約21億円が実質公債費比率や将来負担比率の計算から除外されます。また、20年償還とすると、年約1億円もの負担の軽減・財源確保につながります。
④都市計画税
令和7年度、市街化調整区域の地区計画区域への都市計画税課税を始めます。この施策は、固定資産税を支払っている交野市民の皆様のうち、既に都市計画税を支払っている約95%の交野市民の皆様への公平性・公正性を確保するための施策です。一方で、約2500万円もの都市計画税の増収につながります。過去の一般質問でご提案くださいました大阪維新の会交野市議会議員団に深く感謝申し上げます。
⑤し尿処理
乙辺浄化センターの更新で、寝屋川市や枚方市とし尿及び浄化槽汚泥の広域共同処理の協議・検討を行って参りました。うち、令和6年度より、先行して、寝屋川市とし尿及び浄化槽汚泥の広域共同処理を開始しました。結果、処理が効率化されました。令和7年度、さらに四條畷市・門真市も加えた新たなし尿及び浄化槽汚泥の広域共同処理の実現に向けて、施設整備方針の検討や協議を行います。そのため、広域共同処理までの間、地方交付税の基準財政需要額に22.5%が算入できる一般廃棄物処理事業債を活用して延命化します。
⑥クラウドファンディング
交野市のふるさと納税は、令和4年度の寄付受入額で、前澤友作さんからの500万円の寄付を含めて1180万円、令和5年度の寄付受入額で1109万円、大阪府下43市町村で2年連続42位でした。その打開策として、令和6年度、トイレトラック目標額800万円のところ1252万円、シャワートラック目標額720万円のところ888万円、の寄付をクラウドファンディングで受領しました。令和7年度、トイレカー2台、全国自治体初のランドリートラック、約16%の給食費値上相当分のクラウドファンディング等を実施します。
交野市民の皆様もクラウドファンディングで寄付でき、理論上2000円を除いた部分が還付されます。交野市外の法人なら理論上寄付金額の9割が還付されます。交野市民の皆様が寄付しても、地方交付税の基準財政収入額から75%が減算できることから地方交付税により75%補填されます。そのため、交野市は、交野市外へのふるさと納税流出を防ぐためにも、交野市へのふるさと納税を増やすべきと考えます。
⑦その他
今後活用の見込がない市有地は、全庁的に普通財産のみならず行政財産も整理の上、暫定活用をしながら、売却処分も含めて有効な利活用につながるようにします。活用予定がありましても、定期借地権の設定を含めた使用料収入等の確保を図って参ります。新しい地方経済生活環境創生交付金、地方交付税の基準財政需要額に45%が算入できるデジタル活用推進事業債、地方交付税の基準財政需要額に27%か45%が算入できるこども・子育て支援事業債、地方交付税の基準財政需要額に27%が算入できる地域活性化事業債、の更なる活用を実現すべく、全庁的に事業への活用可能性について、検討を進めます。公用施設・公共施設・小中学校等の高圧電力契約の必要性の検証、デマンド値の適正化による基本料金の見直し、減設申請、について、全庁的に検討します。
(5)子育て支援
交野市を子どもたちに優しい社会にすることは、交野市をみんなに優しい社会にすることだと私は確信しています。そのため、子育て施策の推進は必要不可欠です。
令和7年度、大阪府下2番目ではありますが、「見守りおむつ定期便事業」を開始します。1歳になるまでの乳児の子育て家庭に対し、月1回おむつ等の育児用品を居宅等に届けます。また、乳児や養育者と対面し、必要な相談支援等を行い、子育ての孤立防止や経済的支援等を図ります。
令和7年度、妊婦の外出支援制度を「妊産婦タクシー利用支援事業」とします。対象者を拡大し、子育て支援アプリ(おりひめすこやかナビ)を活用した電子クーポンによりタクシー運賃を助成します。アプリの運用では、子育て支援情報の積極的発信等により、利便性向上と支援の充実を図ります。
令和6年度、市立認定こども園で、3~5歳児の主食の提供を開始しました。結果、子どもたちが白ご飯を持参する必要がなくなりました。令和7年度、小中学校と共同で、約30000枚の雑巾を一括して約100万円で購入し、小中学校も含め、雑巾の持参をなくします。くらやま認定こども園の屋上防水工事と外壁改修工事等を実施し、保育環境の改善に努めます。交野保育園での一時預りが令和7年度から利用できないことが令和6年12月に判明しました。そのため、令和7年度早期に、くらやま認定こども園にて、一時預りをスタートします。
児童発達支援センターで、地域の中核的な療育施設としての機能強化を図ります。あわせて、安全・安心な療育環境を整備、確保するため、第三者評価機関による専門的・客観的評価を導入し、運営を充実させます。
小中学校で、北河内7市で最も早く、中学校給食無償化を実現しました。さらに、令和7年度からは、小学校5年生まで給食無償化を拡充します。また、令和7年度から通学路の見守りを各小学校2か所、みらい学園4か所、公費で実施します。令和6年から大阪府初の市立小学校低学年の30人以下学級を1学年毎に順次実施し、令和7年度は1年生と2年生を対象とします。
令和6年度、第二中学校、第三中学校、第四中学校のトイレの大規模改修を1系統ずつ実施しました。令和7年度、もう1系統ずつでトイレの大規模改修を実施します。また、私市小学校と藤が尾小学校の体育館トイレの大規模改修も実施します。
令和6年度、私市小学校、第二中学校、第三中学校、第四中学校の体育館にエアコンを設置しました。令和7年度、倉治小学校、妙見坂小学校、藤が尾小学校、旭小学校、の体育館にエアコンを設置します。
令和6年度、星田小学校、妙見坂小学校、旭小学校、で照明をLED化しました。令和7年度、郡津小学校、岩船小学校、倉治小学校、藤が尾小学校で照明をLED化します。
令和6年度、全小中学校の机とイスを高さ調整可能な机とイスに買替え、テレビモニターも65インチのテレビモニターに買換えました。また、新しいパイプイスも購入しました。令和7年度、みらい学園を除く全小中学校のカーテンを入替え、小学校1・2年生の教室にプライバシーカーテンを設置します。市立認定こども園と共同で、約30000枚の雑巾を一括して約100万円で購入し、市立認定こども園も含め、雑巾の持参をなくします。
令和6年度、現在妙見坂小学校5年生のお願いで、妙見坂小学校にブランコを設置しました。令和7年度、郡津小学校、旭小学校、藤が尾小学校、にブランコを設置します。
令和6年度、倉治小学校、第二中学校で門扉・防犯設備の改修工事を実施しました。令和7年度、星田小学校、郡津小学校、岩船小学校、妙見坂小学校、旭小学校、藤が尾小学校、私市小学校、第三中学校、第四中学校で門扉・防犯設備の改修工事を実施します。また、岩船小学校、妙見坂小学校でプール改修工事を行い、岩船小学校で、雨水排水対策として運動場改修工事を行います。
学校施設の改修では、国の学校施設環境改善交付金、地方交付税の基準財政需要額に約32.85%が算入できる脱炭素化推進事業債、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債を最大限活用します。なお、令和5年のスイスジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約」第5回締結国会議により、令和9年までに全ての一般照明用蛍光灯の製造と輸出入が禁止されます。
さらに、令和7年3月、第二京阪国道高架下で、トイレカーを配置した見守り付のバスケットボールコートとスケボー広場を整備します。また、小学生からのお願いで、令和7年3月6日、いきいきランドにプリクラを設置します。令和7年度、天野川緑地と郡津公園で、ボール遊びができる広場を整備し、天野川緑地の一部では、ヤギによる除草の試行を実施します。ヤギ除草は、公園・緑地を訪れた利用者に対する癒し効果や環境負荷の軽減などが期待できる新たな維持管理手法であると考えます。私部南2丁目にて、公園整備に向けた関係者との協議を進めます。
3.重点施策の状況
交野市長選挙の5つの公約、所信表明の5つの重点施策、のうち、コミュニティーバス、学校整備、財政健全化、は既に申し述べたとおりです。そのため、他の2つの進捗と今後の方向性について、順にご説明申し上げます。
(1)交野市役所耐震化
令和6年度、本庁舎の耐震改修及び設備改修に向けた基本設計業務を行っています。その中で、物価高騰の中にありましても、耐震工事部分への地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債の活用、LED化やトイレの大規模改修への地方交付税の基準財政需要額に32.85%が参入できる脱炭素化推進事業債や公共施設等適正管理推進事業債の活用により、実質的な費用の圧縮を実現しています。加えて、屋上防水、外壁補修、空調機器への公共施設等適正管理推進事業債の活用可能性を調査しております。また、別館2階への都市まちづくり部の集約化を実施しました。
令和7年度中には、詳細設計を経て、議会において工事に係る予算の承認を賜り、工事業者の選定を行います。また、それまでには、市民部と税務室を別館1階と別館3階へ移転させます。引き続き、市役所本庁舎の安全性確保に向けて、関係部局と連携を図りながら、耐震化に向けた取組を進めて参ります。なお、私の任期を超過いたしますが、交野市役所耐震化は交野市長選挙の公約であり、その後の重点施策であり、自動音声による電話世論調査でも約60%の支持を得ております。したがいまして、あれだけの反発を招いた施設一体型小中一貫校の進め方とは似て非なるものと考えます。
(2)水道
市長就任後、交野市として、厚生労働省の「生活基盤施設耐震化等交付金」のうち「水道管路緊急改善事業」の存在が判明しました。コンセッション、大阪広域水道企業団への経営統合、給水原価以上の水道料金値上げ、のいずれか実施で、基幹管路更新費用の約3分の1にあたる年約数億円の補助金がもらえるという内容でした。ただし、コンセッションで水道の運営権を外資含む民間企業へ売却するわけには参りません。また、大阪広域水道企業団への経営統合で交野の誇りである交野の水を将来的になくすわけには参りません。苦渋の決断ですが、令和6年度、給水原価以上の水道料金を値上げしました。
令和6年度分の水道料金値上げに対し、令和5年度に下水道基本料金2か月減免、令和6年度に下水道基本料金通算4か月減免を行いました。令和7年度分の水道料金値上がり部分に対し、令和6年度に下水道基本料金2か月減免を実施中であり、令和7年度に、改めて下水道基本料金の4か月減免を実施します。このような施策は、令和8年度分も継続することを改めて約束いたします。令和9年度の水道料金は、令和8年9月の交野市長選挙で選ばれた市長が、令和8年度中に決めるべきだと考えます。
なお、これまでの取組の成果といたしまして、令和7年度予算には、約1億4800万円もの社会資本整備総合交付金を計上しております。しかしながら、社会資本整備総合交付金は、起債の削減にはつながるものの、直ちにキャッシュフローを改善するものではありません。そのため、起債の削減分の一部を利用してゆうゆうセンターに新たな深井戸を整備し、令和8年度から大阪府広域水道企業団への受水費を削減します。その際、指定避難所への防災井戸の整備にあわせることで、その費用の半額を一般会計負担とします。一般会計負担分は、地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる公営企業債の防災対策事業を活用します。
4.令和7年度の主要な取組
続きまして、第5次総合計画第1期基本計画の施策体系をベースに、既に申し述べた施策以外の令和7年度の主要な取組を説明します。
■みんなで子どもを育み、子どもがのびのびと学ぶまち
(子育て、幼児教育・保育)
令和5年4月に制定されたこども基本法は、こどもや若者が将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現を目指すものです。令和5年12月には国のこども施策を推進するための「こども大綱」及び「こども未来戦略」が策定されました。
こうした国の動き等を踏まえ、本市におけるこども施策の充実・着実な推進を図るため、令和7年度から5年を計画期間とする「交野市こども計画」の策定に取り組んで参りました。令和7年度からは、この計画を基に、全ての子育て家庭を対象に、多様なニーズに応じた様々な子ども・子育て支援の充実を図って参ります。
放課後児童会で、生涯学習推進部から健やか部に移管し、認定こども園等とのよりシームレスな業務展開を図ります。任期付職員の採用も継続いたしますとともに、今後の小学校区別の未就学児数を見極め、施設整備を検討します。あわせて、既存の放課後児童会の一部で環境改善を行います。また、放課後に子どもたちがのびのび遊べる場を確保するため、令和6年度に引き続き、フリースペースの拡充を進めます。
(学校教育、教育環境)
令和7年度、教育総務室、学校教育部をみらい小学校跡地へ移転し、教育総務部と教育指導部に再編します。将来的には、現在のまなび舎整備課とまなび未来課の業務を市長部局へ事務委任することも検討いたします。
学校教育で、今年度からスタートする新たな教育大綱に記載の事項を最大限尊重した取組を進めて参ります。記載の事項とは、「6・3制を堅持」、「二度と小中一貫校の建設を進めません」、「みらい学園を除いた、中学校区に対する「学園」の名称の使用は行いません」等です。
基礎学力の向上を目指した読み、書き、計算の徹底を図ります。また、家庭での学習時間が少ない課題があることから、課題の解決と学力の向上を図ります。また、令和2年度に整備したタブレット端末を更新し、通信環境の改善と5年間の保証期間の確保を含めた調達を進めて参ります。
交野市の地元の普通科の公立高校は、交野高校のみです。しかし、大阪府立学校条例第2条2で「入学を志願する者の数が三年連続して定員に満たない高等学校で、その後も改善する見込みがないと認められるものは、再編整備の対象となる」との規定があり、交野高校はその2年目です。地元の普通科の公立高校は、学びたい子どもの機会保障に必要です。そのため、交野市は、連携協定の締結を含め、交野高校との関係強化に取り組みます。
■みんなが互いを認め支え合い、笑顔と元気があふれるまち
(地域福祉、高齢者福祉、障がい福祉)
地域福祉で、令和5年度より実施中の「重層的支援体制整備事業」について、「まるまど」を含めた官民協働の身近な相談支援体制の更なる構築を図ります。早期の対応を目指すとともに、複合・複雑化した課題や制度の狭間のニーズへの対応・支援を実施します。また、支援をつうじて、新たな支援策や地域づくりを行うなど、地域共生社会の実現を目指します。
生活保護制度は、厳正な運用に努めます。また、就労支援や健康管理支援事業等により被保護者の経済的・社会的自立に向けた支援を行います。また、社会情勢の変化も踏まえ、生活困窮者自立支援制度の適切な運用を図ります。
外出支援制度で、令和7年度より、妊婦の外出支援制度を健やか部に移管しております。また、新たなおりひめバスの運行に伴う制度変更が適正に実施できるよう周知啓発を行います。これまでの外出支援制度の利用者への円滑な制度移行と利用促進により、効果的な事業の実施に努めて参ります。
障がい福祉で、これまで交野市に不足していた重症心身障がい者の施設整備を引き続き市有地を活用して推進します。また、「第4次障がい者(児)福祉長期計画」等の推進を図ります。障がい児者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、親亡き後を見据え、基幹相談支援センター機能の強化に努めます。また、地域生活支援拠点の整備、医療的ケア児等コーディネーターの配置等、障がい福祉サービス等は、その必要性の精査を含め、厳正に取り組みます。
高齢者福祉で、「高齢者保健福祉計画及び第9期介護保険事業計画」の中間年にあたります。引き続き介護保険制度の厳正な運用に取り組みます。とりわけ、令和6年度より試行的に実施しておりました、介護予防教室を本格実施します。介護予防・日常生活支援総合事業の拡充とともに、地域包括ケアシステムを充実させます。そうすることで、介護の必要性が低下し、住み慣れた地域での生活の質の維持が図られることを目指します。
認知症対策で、国が認知症計画の策定も推進しております。交野市では、次期計画策定にて認知症計画の内容を踏まえた計画とします。そのためにも、まずは現状の認知症施策を実施します。また、より効果的な認知症に対する理解促進や予防の取組の推進を図って参ります。
(健康・医療)
健康づくりで、これまでの胃エックス線検査に加え、新たに胃内視鏡検査を導入します。そのため、まずは、関係機関と協議調整を進めます。引き続き、がん検診の受診率向上や生活習慣病予防の啓発等により健康寿命の延伸を図って参ります。また、新たに定期接種化された「帯状疱疹ワクチン」で、接種機会の確保を図るとともに市民への周知啓発等を進めて参ります。
(生涯学習)
生涯学習で、令和7年度から、社会教育業務、放課後児童会を除く青少年育成業務、図書館業務、を市長部局へ変更の上生涯学習推進部の名称を地域振興部とします。また、総務部地域振興課を青年の家に移転して地域振興部と統合します。生涯学習施策と地域振興関連施策とを連携させ、相乗効果を発揮します。文化財保存活用地域計画の趣旨を踏まえ、文化財施策と観光施策とを同じ部で実施し、相乗効果を発揮します。
図書館で、令和6年度中に宝くじ助成金により更新する移動図書館車ブンブン号を配備します。あわせて、より市民に利用しやすいステーションを増設いたします。また、2基目となる図書返却ポストをJR星田駅へ設置します。ステーションと図書返却ポスト双方を連動させながら、市民の利便性の向上・読書活動の推進を図ります。<
(人権・多文化共生)
人権と暮らしの相談課の機能と消費生活センターとを総務課に統合します。総務課には、法務職として特定任期付職員が在籍しております。また、さらに法務職を採用して活用し、より高度な相談業務にも的確に対応できるようにします。
■みんなが助け合い、安心して住み続けられるまち
(防災・減災)
市民創造の森整備構想区域内にある急傾斜地対策工事で、適切な工事監理を行うなど円滑に事業を実施しております。令和7年度中に、工事を完了させ、急傾斜地の指定解除に向けて協議します。工事完了後、災害時における地域住民の方々の一時避難所やボランティアの活動拠点として活用できる広場を整備します。地域の安全安心の確保とともに、地域活性化にもつながることを期待しております。
浸水対策で、激甚化・頻発化する水害などの自然災害に対して、その被害を最小限に抑える必要があります。準用河川における堆積土砂の撤去等を行い、適切な維持管理を引き続き進めて参ります。また、護岸等の点検や、草川での雨水幹線等の施設整備等の浸水対策事業や大西川での浸水対策の検討を進めて参ります。
寺作業所跡地で、防災多目的広場を整備すべく、地元地区や関係部局と連携を図りながら設計を行います。可能な限り地方交付税の基準財政需要額に70%が算入できる緊急防災・減災事業債、緊急自然災害防止対策事業債を活用します。設計の目途がつき次第、テニスコート等の整備との比較検討を行います。
(消防・救急)
消防・救急で、近隣市との消防指令業務の共同運用を継続します。熱中症対策として、空調ベストの導入で、消防職・団員の安全管理を徹底します。さらに訓練を積み重ね、市民皆様の安心安全に取り組んで参ります。近年急激に増加する救急出動で、消防体制の検討を行います。また、昨年に続き高規格救急自動車や、消防本部・消防団の消防車両等を更新し、消防力の充実強化を図ります。また、交野市内に複数ある大規模倉庫などの防火対象物の関係者に対し、適正な訓練指導を行います。消防団と連携を図り、住宅用火災警報器の普及啓発を行い、火災のない安全なまちを目指します。
(暮らしの安全・安心)
暮らしの安全・安心で、交野市や星田地域は、星田交番の移転を要望して参りました。前の明石市長のようなことは申しておりませんが、令和4年度には、直接、交野警察署長に要望しました。令和5年度には、星田交番の市有地をあさひ認定こども園の送迎用駐車場として利用するとして移転を強く求めました。令和7年2月18日、星田駅北側ロータリーにて、木造2階建、星田交番の実施設計費用542万2000円予算が示されたことから、令和8年度の移転に向けて大阪府警察本部との調整を進めて参ります。
近年多発している特殊詐欺対策のため、詐欺電話を防止する機器の貸出を進めます。また、自転車ヘルメット装着率が低いことから、装着率向上のための啓発事業等を交野警察署と連携して推進して参ります。また、刑法犯認知件数の約半分を占める再犯への対策として、保護司会や交野女子学院との連携協力関係をより強固なものとします。
鉄道駅周辺での交通安全対策で、交野市駅周辺の交差点改良事業を進めて参ります。また、河内森駅周辺で、居住権や囲繞地通行権の課題はありますが、引き続き、法定外公共物の返還の協議を進めます。また、歩行者の安全確保に向けた検討に着手します。
■みんながつどい交流し、活力が生まれるまち
(都市環境・住環境)
交野市では、まちづくり等による良好な住宅地の整備に伴い、転入超過が続いております。しかしながら、少子化に伴う将来的な人口減少に対しては、立地適正化計画の策定により効率的な居住誘導や都市拠点の配置を示す必要があります。また、立地適正化計画と車の両輪にあたる地域公共交通計画の策定を進めます。地域公共交通計画により、交野市にとって望ましい地域旅客運送サービスを明らかにします。また、地域公共交通確保維持改善事業等補助の獲得に向けて取り組みます。
星田北エリアの土地区画整理事業で、令和6年度に星田駅北地区が換地処分を行い、事業が完了いたしました。
寺・向井田地区のまちづくりで、検討会が立ち上がりました。土地区画整理事業によるまちづくりを進めることが決定され、協議会の設立に向けた協議・検討が進められております。交野市は、まちづくり事業の実現性を高めるための支援を継続します。寺・向井田地区のまちづくりを検討しているエリアで、過去の交野市議会から「JR交野新駅設置を要請する請願」が出されました。このまちづくりの機運醸成を踏まえ、JR西日本旅客鉄道株式会社と新駅設置の可能性の勉強会を継続します。
市街化調整区域の地区計画の提案制度を利用したまちづくりで、星田西地区にて、見直した計画の提案を受けています。今後、施設管理者との協議を踏まえ、都市計画変更を行います。
郡津駅周辺で、地権者等により土地利用検討協議会が設立されました。今後、土地利用のあり方の検討等が行われます。郡津地区の根本的な浸水対策の実現や振興も含めて、協議会に対して必要な助言等を行います。
住宅施策のうち、近年増加している空家対策で、令和6年度より第2期の空家等対策計画を策定し、実施しております。「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正を踏まえた計画です。改善がみられない空家に対し、交野市空家等対策協議会に諮り、特定空家やその前段階となる管理不全空家の指定を行います。所有者への危険性や周辺に及ぼす悪影響の周知を行い、既に、その成果を出しております。
中古住宅の流通促進で、交野市住宅取得流通促進支援事業補助金は空家の発生抑制等にも寄与しております。そのため、制度の見直し等を行いながら、引き続き事業を継続し、良好な住環境の維持に取り組んで参ります。
自転車駐車場で、寝屋川市側のまちづくりによる星田駅の利用者増加に事前に対応する必要があります。そのため、星田駅第二自転車駐車場を拡張します。また、令和8年度までの指定管理者の期限を見据え、市有地であるぎんりんターミナルかたの自転車駐車場の改修のための検討を行います。また、河内磐船駅新北自転車駐車場が河内磐船駅まで遠いことから、ゆうゆうセンター敷地内にて、自転車駐車場利用者とゆうゆうセンター利用者が共存する自転車駐車場の検討を行います。
(産業振興・労働、観光・魅力発信)
令和7年度、生涯学習推進部のうち、社会教育業務、放課後児童会を除く青少年育成業務、図書館業務、を市長部局へ変更の上、地域振興部とします。総務部地域振興課を青年の家に移転して地域振興部に統合します。
スポーツ施策を始めとした生涯学習施策と商業を始めとした地域振興関連施策とを同じ部で実施し、生涯学習の振興とともに、まちの活性化やにぎわい創出のために相乗効果を発揮するようにします。
産業振興で、新たに設置される地域振興部にて、関連施策と連携しながらの取組を行います。大工等がその伝統技術を競う削ろう会全国大会が交野市で開催されます。大阪府内での開催は実に26年ぶりです。多くの来場者のお越しを予定しており、交野市の産業振興やPRに寄与することから、一定、交野市として補助を行います。イズミヤの撤退に伴う買い物困難者への対応で、引き続き市有地を活用した買い物支援を実施します。
交野市内のイベント等に際し、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングによる資金調達を提案し、イベント等の活性化と交野市の負担の軽減を図ります。交野市民の皆様もクラウドファンディングで寄付でき、理論上2000円を除いた部分が還付されます。交野市外の法人なら理論上最大寄付金額の9割が還付されます。
令和6年度、不足する星の里いわふねの駐車場の拡大等を目的にその設計をスタートしました。令和7年度、補正予算にて駐車場の拡大等を実施いたします。地方交付税の基準財政需要額に27%が算入できる地域活性化事業債を活用します。
令和7年度、国際交流で、姉妹都市であるカナダのコリングウッドから訪問団を受入れ、国際交流の機運を高め、相互理解の促進を図ります。
令和6年度、交野市にゆかりがあり、発信力のある著名人等に、交野市の魅力を全国に広くPRしてもらうため、交野PR大使の制度をスタートいたしました。令和6年12月には、交野市出身のエレクトーン奏者、小椋寛子さんに交野PR大使を委嘱しました。令和7年度には、より積極的に交野市内のイベント等に交野PR大使に出席してもらいます。より交野市の魅力を全国に広くPRいたしますとともに、交野市民の皆様にも喜んでもらいます。
(道路・河川)
道路事業で、昨年度更新した舗装修繕計画に基づき、優先度の高い路線から舗装補修工事を行います。また、橋梁長寿命化修繕計画に基づき、横断歩道橋の定期点検業務や、老朽化した橋梁の補修工事を進めて参ります。
(上水道・下水道)
令和6年能登半島地震で、水道施設に甚大な被害が発生し、最大約14万戸が断水しました。「水」が使えることの重要性と水の公共性が改めて認識されました。
これを踏まえ、国は、「急所」施設の耐震化への補助制度を創設しました。「急所」施設とは、上下水道システムのうち、その施設が機能を失えば、システム全体が機能を失う取水施設、導水管、浄水場、送水管、配水池といった最重要施設です。また、災害拠点病院、避難所、防災拠点等を重要施設に位置づけ、耐震化への補助制度を創設しました。交野市では、浄水場及び配水池等の耐震化を終えております。そのため、今後、国庫補助金を活用しながら、「急所」施設の送水管と重要施設の配水支管の更新・耐震化を計画的に進めて参ります。あわせて、国庫補助金の採択要件に規定されている料金回収率100%以上を達成するよう経営管理の徹底を図って参ります。
下水道施設の維持管理で、包括委託を活用し、効率的な維持管理に努めます。また、ストックマネジメント計画に基づいた点検・調査を実施します。予防保全に向けた改築・更新の推進や、主要幹線管渠の耐震対策に取り組んで参ります。
加えて、下水道未整備地域の解消のため、主に幾野や星田北の工場地域での下水管の整備を推進します。また、下水道の安定した事業運営のため、令和9年度からのウォーターPPPの導入に向けた検討及び経営戦略の見直しを行います。
上下水道機能を統合し、令和8年度に上下水道部を設置します。そのため、上下水道統合準備室を設置します。上下水道機能の統合により、総務機能の効率化、耐震化の効率化、国庫補助金獲得の効率化、を目指します。あわせて、統合後の上下水道部の執務室機能をどこに配置するかを検討します。
■みんなで自然や文化を慈しみ、次世代に引き継いでいくまち
(脱炭素・循環型社会)
省エネの推進で、全公用施設、全公共施設、全小中学校のLED化のための工事を進めて参ります。これらLED化の際には、地方交付税の基準財政需要額に32.85%が参入できる脱炭素化推進事業債を最大限活用します。なお、令和5年のスイスジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約」第5回締結国会議により、令和9年までに全ての一般照明用蛍光灯の製造と輸出入が禁止されます。
5.予算編成
以上の方針により編成いたしました令和7年度の各会計の当初予算は、
一般会計 372億8,748万8千円
国民健康保険特別会計 73億9,752万4千円
介護保険特別会計 72億4,810万3千円
公共用地先行取得事業特別会計 2億4,560万円
後期高齢者医療特別会計 18億6,0151万6千円
水道事業会計 28億6,245万6千円
下水道事業会計 24億3,492万8千円
総 額 593億3,625万7千円
でございます。
おわりに
画一的な施策では、人口7万7千人の交野市が、今後も活力あるまちとして生き残っていくことは困難です。しかしながら、これまでの交野市は、北河内7市の中で、小さくて、財政状況も悪く、後発的な自治体でした。
しかし、私の市長就任後、交野市は生まれ変わりつつあります。市長が変われば、ここまで市政が変わることを、交野市民の皆様は認識し、自動音声による電話世論調査の数値に表れています。
(1)斬新な取組
令和4年度、臨時運行許可証、いわゆる、仮ナンバーを返さない人に対し、道路運送車両法違反で刑事告発すると警告しました。結果、仮ナンバーを全て回収しました。交野市の取組もあり、国土交通省近畿運輸局は自治体に対して刑事告発等も視野に入れた対策の強化を求めました。
令和5年度、改正民法施行にあわせて、地域課題となっていた市道への越境木を全国自治体で初めて強制切除しました。当該箇所の道路交通環境が改善したことから、地域の安全・安心も取り戻しました。大阪・関西万博子ども無料招待事業2回目で、市町村への一方的な負担の押し付けに毅然と反対しました。これら取組とも、報道ステーションで全国放送されました。
令和6年度、大阪・関西万博子ども無料招待事業1回目で、「学校単位で行かなくても良い」と表明しました。テレビ朝日のワイドスクランブルやTBSテレビの報道特集でも全国放送されました。水道水源の約8割が地下水の交野市地下を北陸新幹線が通過予定であることから、事業推進調査における地下水影響調査を求め、その後、実施の確約を得ました。がらと川の河川敷を長年不法占用し続けているにもかかわらず、交野市が約10年間是正指導を放置していた事業者2社を法務省に先んじて大阪地方裁判所に提訴いたしました。大阪府下43市町村で初めてトイレトラックを配備し、輪島市に派遣しました。また、令和6年度、全国自治体2番目のAI循環式シャワートラックを配備します。
令和7年度、全国自治体初のランドリートラックを配備します。令和7年度は、これまで以上に交野市民の皆様の期待を上回る市政運営を展開して参ります。
(2)組織運営
交野市役所の組織運営で、先進的な人事制度改革を進めて参りました。職員の年齢構成の適正化のため、細分化した年齢制限に基づく職員採用、早期退職制度の対象年齢の拡充、60歳役職定年制度の導入、を実施しました。行き過ぎた職員数削減の見直しのため、定員管理計画を改正しました。職員採用増のため、10月採用を本格導入済ですが、令和7年度、7月採用も実施し、人材確保につなげます。それらにより、北河内7市で最も高い課長代理級以上の管理職比率は適正化しつつあります。また、採用困難職種のうち、不足する土木・建築といった専門職は、年齢制限を緩和して職員採用を実施しております。また、加齢困難職種への対策として、消防職員の転籍を含めた人事交流を開始しております。
限られた職員数で行政需要の増加や地域課題に対応する必要があります。そのため、組織機構を可能な範囲で統合し、関連する業務や専門人材を集約しております。縦割行政の弊害をなくし、職員が連携・協力しやすい体制を整えるべく、機構改革を継続して参ります。
また、職員が働きやすい環境整備として、現在の午前9時から午後5時半までの標準の勤務時間を午前8時45分から午後5時15分までに前倒しします。あわせて、現在の午前9時から午後5時半までの開庁時間を午前9時から午後5時までに短縮化します。そうすることで、朝礼や始業準備、終業の後片付け、を交野市民の皆様にご迷惑をおかけせずに行うことができます。結果、市民サービス向上や職員の働きやすい環境整備につながると考えます。令和7年度中の適切な時期に交野市議会に報告し、市民周知を図りながら進めます。
以上で、新年度の施政方針についての説明といたしまして、議会の皆様、7万7000交野市民の皆様のご理解・ご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
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